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本書は、米国において投資家の父と呼ばれ、バリュー投資理論の考案者であるベンジャミン・グレアム(1894~1976)の『The Intelligent Investor』の翻訳本である。本書は、別著の『Security Analysys』とともに、個人投資家やウォール街の金融プロフェッショナルの間で、投資理論書のバイブルとなっている本である。
著者はこの本の中で、投資家と投機家について、「投資家と投機家の最も現実的な相違は、その人が市場変動に対してどのような態度で臨むかという点である。投機家の最大の関心事は、株価の変動を予測してそれによって利益を得ることである。投資家の最大の関心は、適切な価格で取得して保有することである」と定義している。本書が対象としているのは投資家(investor)であり投機家(speculator)ではないので、はじめから、市場でトレーディングする人々は読者として想定されていない。
あくまでも本書の目的は、「投資戦略を決定したり、それを実行に移すための手法を投資の初心者にも理解できる形で示すことにあり、貯蓄を主目的とする人々と投資家の双方に対し、債券や株式といった有価証券への投資に回そうと彼らが考える資金の運用について、大きな過ちを犯すことのないよう導き、不安なしにいられる投資方針を作り上げる」一助となることで一貫している。証券分析についてはあまり触れず、主として投資の原理や投資家のとるべき姿勢など賢明な投資家になる方法を紹介している。具体的には、詳細な分析に基づき、元本を保全して、適切なリターンをあげる投資に徹すること。投機を避け、ポートフォリオの運用方針を単純化(優良債券の購入および優良企業の普通株への分散投資)することの重要性などを強調している。
そして、株価と株式の本質的価値の差である安全域の原則を確固として守った投資アプローチをとることで、十分な投資収益を得ることが可能である、というきわめてシンプルな投資哲学を展開している。(増渕正明)
内容紹介
バフェットが師と仰ぎ尊敬したグレアムが残した「バリュー投資」の最高傑作!
株式と債券の配分方法、だれも気づいていない将来伸びる「魅力のない二流企業株」や「割安株」の見つけ方を伝授。場中や、明日、1カ月後の値動きを全く気にしない「投資法」。 この度、多数の読者の要望にお応えすべく、『賢明なる投資家』第4版の日本語訳を出版することとなりました。
『賢明な投資家』第3版の日本語版北岡文一監修 重田福雄訳は、1967.01.10竹内書店新社から発売されました(第3版は現在絶版)。当時の値段で3,500円と高価でしたが、多くの人々に広く読まれました。原書は、今でもアメリカでロングセラーであり続けている古典的名著なのです。数十年前から時代遅れな本といわれ続けながらも、やはり真理とは普遍的なものであり、人々に必要とされてきた書物であります。投資家たるものは、一度は目を通しておくべき一冊ではないでしょうか。本書は1996年に韓国語訳、1997年には仏語訳が、2000年にドイツ語訳が翻訳出版されました。
世界的にバリュー投資が見直されてきている流れなのかもしれません。日本でもITバブルがはじけた今、バリュー投資を勉強したいと願う方には、バフェット、マンガーとともにお勧めしたい「投資家の教科書」です。
株式と債券の配分方法、だれも気づいていない将来伸びる「魅力のない二流企業株」や「割安株」の見つけ方を伝授。場中や、明日、1カ月後の値動きを全く気にしない「投資法」。 この度、多数の読者の要望にお応えすべく、『賢明なる投資家』第4版の日本語訳を出版することとなりました。
『賢明な投資家』第3版の日本語版北岡文一監修 重田福雄訳は、1967.01.10竹内書店新社から発売されました(第3版は現在絶版)。当時の値段で3,500円と高価でしたが、多くの人々に広く読まれました。原書は、今でもアメリカでロングセラーであり続けている古典的名著なのです。数十年前から時代遅れな本といわれ続けながらも、やはり真理とは普遍的なものであり、人々に必要とされてきた書物であります。投資家たるものは、一度は目を通しておくべき一冊ではないでしょうか。本書は1996年に韓国語訳、1997年には仏語訳が、2000年にドイツ語訳が翻訳出版されました。
世界的にバリュー投資が見直されてきている流れなのかもしれません。日本でもITバブルがはじけた今、バリュー投資を勉強したいと願う方には、バフェット、マンガーとともにお勧めしたい「投資家の教科書」です。
レビュー
序文 ウォーレン・バフェット
私がこの本の初版を読んだのは一九五〇年の初め、一九歳の時でした。そのとき、それまでに読んだ投資関連のすべての本の中で、最高の一冊だと思いました。そしてその思いは今も変わっていません。 生涯を通じて投資で成功するためには、知能指数がずば抜けて高い必要もなければ、人並み外れた洞察力を持つことも、内部情報に通じている必要もありません。必要なのは、意思決定のための適切かつ知的なフレームワークと、それを働かせないような力から感情を一定に保つことができる能力です。本書は適切なフレームワークを、分かりやすい形で正確に示してくれます。感情は規律でコントロールする必要があります。 グレアム(グラハム)が唱えている行動やビジネス原則に従えば──また、八章と二〇章で述べられている貴重な教えに細心の注意をもって臨むことができれば──投資でひどい目に遭うことはないでしょう(これは、みなさんの予想よりもかなり良い結果を意味します)。投資家が素晴らしい結果を得られるかどうかは、投資家本人がその投資に関してどれだけの努力と知力を注ぎ込むかにかかっていますが、同様に、その投資期間にどれだけの「愚かさ」が株式市場を覆ったかによっても大きく影響を受けます。市場が愚かさに支配されればされるほど、賢い投資家にとっては大きなチャンスなのです。グレアムの教えに従うことで、愚かさに参加するのではなく、愚かさから利益を得る人々の一員になれるのです。 私にとってベン・グレアムは、著述家や師をはるかに超越した存在でした。彼は父親を除くすべての人々のうち、私の人生に最大の影響を与えた人物です。一九七六年にベンが亡くなった直後に私は、『フィナンシャル・アナリスツ・ジャーナル』誌に次のような彼に関する短い追悼文を寄せました。本書を読み進めれば、私がこの追悼文で述べた賛辞を実感されることでしょう。
私がこの本の初版を読んだのは一九五〇年の初め、一九歳の時でした。そのとき、それまでに読んだ投資関連のすべての本の中で、最高の一冊だと思いました。そしてその思いは今も変わっていません。 生涯を通じて投資で成功するためには、知能指数がずば抜けて高い必要もなければ、人並み外れた洞察力を持つことも、内部情報に通じている必要もありません。必要なのは、意思決定のための適切かつ知的なフレームワークと、それを働かせないような力から感情を一定に保つことができる能力です。本書は適切なフレームワークを、分かりやすい形で正確に示してくれます。感情は規律でコントロールする必要があります。 グレアム(グラハム)が唱えている行動やビジネス原則に従えば──また、八章と二〇章で述べられている貴重な教えに細心の注意をもって臨むことができれば──投資でひどい目に遭うことはないでしょう(これは、みなさんの予想よりもかなり良い結果を意味します)。投資家が素晴らしい結果を得られるかどうかは、投資家本人がその投資に関してどれだけの努力と知力を注ぎ込むかにかかっていますが、同様に、その投資期間にどれだけの「愚かさ」が株式市場を覆ったかによっても大きく影響を受けます。市場が愚かさに支配されればされるほど、賢い投資家にとっては大きなチャンスなのです。グレアムの教えに従うことで、愚かさに参加するのではなく、愚かさから利益を得る人々の一員になれるのです。 私にとってベン・グレアムは、著述家や師をはるかに超越した存在でした。彼は父親を除くすべての人々のうち、私の人生に最大の影響を与えた人物です。一九七六年にベンが亡くなった直後に私は、『フィナンシャル・アナリスツ・ジャーナル』誌に次のような彼に関する短い追悼文を寄せました。本書を読み進めれば、私がこの追悼文で述べた賛辞を実感されることでしょう。
レビュー
『フィナンシャル・アナリスツ・ジャーナル』一九七六年一一・一二月号より
ベンジャミン・グレアム(一八九四年~一九七六年) 数年前のこと、間もなく八〇歳になろうというベン・グレアムはある友人に、自分は日々「バカげたことや創造的なこと、寛大なこと」をしていたいのだと語った。 「バカげたこと」という奇抜な表現は、概念をまとめるためのコツが反映されたものだ。それによって彼は回りくどい表現やうぬぼれを排除したのである。彼の概念は非常に力強いものである一方、その論述法は常にソフトであった。 この雑誌の読者のみなさんには、彼の独創性に満ちた業績をことさらながら詳述する必要はないだろう。自ら新境地を切り開いた者は往々にして、月日のたたないうちに後継者の出現によって自らの業績の精彩が失われたことを知ることになる。しかし、無秩序と混乱の中に体系と論理を確立した彼の著書の上梓から四〇年以上たつが、今なお、証券分析分野の出版物で次点の候補を挙げるのさえ困難に思える。出版されてからほんの数週間や数カ月で、すでにバカげたものに映る本が多いこの出版分野で、ベンが確立した体系は常に信頼できるものであり続けてきたばかりでなく、金融の嵐が吹き荒れて薄っぺらな知的体系が粉砕されたことで、彼の体系はさらに高められ、より理解されるようになった。彼の優れた理論の恩恵を、多くの人が享受してきた──天賦の才に恵まれながら、卓越した才能や流行の理論に追随したことでヘマを踏んだ人々が数多くいた中で、彼らと比べて平凡な人々さえもベンの理論の恩恵にあずかったのである。 ベンが自身の専門分野において際立った点を挙げるとすれば、一つの目標にすべての努力を集中させるといったような、精神活動における狭量さにとらわれることなく、偉業を成し遂げたということだ。それはむしろ、ほとんど境界を超えた幅広い知性の副産物であったと言ってもいい。彼は私が出会った人々の中で、間違いなく最も視野が広い人間だ。実際、卓越した記憶力と尽きることのない知的好奇心、そしてそれを一見無関係に思える問題にも応用できる形に作り直してしまう能力は、どのような分野のことでも楽しいと感じさせてしまう彼の思考の幅広さを形成した。 だが彼の第三の要素──寛容さ──こそが、彼の成功そのものである。私にとってベンは師であり、かつての雇用主であり、また友人でもあった。そのすべての関係において──その他の教え子や従業員、友人たちと少しも分け隔てることなく──知識や時間や精神を他人に与えることへの、無制限かつ駆け引きのない寛容さがあった。考えを明瞭にさせたいとき、彼を尋ねるのが一番の方法だった。そして励ましの言葉が欲しかったり相談事があるときには、いつでもベンが迎えてくれた。 ウォルター・リップマンはみんなが木陰で休むための木を植えた人たちについて話した。ベン・グレアムはそういう人間なのである。
ベンジャミン・グレアム(一八九四年~一九七六年) 数年前のこと、間もなく八〇歳になろうというベン・グレアムはある友人に、自分は日々「バカげたことや創造的なこと、寛大なこと」をしていたいのだと語った。 「バカげたこと」という奇抜な表現は、概念をまとめるためのコツが反映されたものだ。それによって彼は回りくどい表現やうぬぼれを排除したのである。彼の概念は非常に力強いものである一方、その論述法は常にソフトであった。 この雑誌の読者のみなさんには、彼の独創性に満ちた業績をことさらながら詳述する必要はないだろう。自ら新境地を切り開いた者は往々にして、月日のたたないうちに後継者の出現によって自らの業績の精彩が失われたことを知ることになる。しかし、無秩序と混乱の中に体系と論理を確立した彼の著書の上梓から四〇年以上たつが、今なお、証券分析分野の出版物で次点の候補を挙げるのさえ困難に思える。出版されてからほんの数週間や数カ月で、すでにバカげたものに映る本が多いこの出版分野で、ベンが確立した体系は常に信頼できるものであり続けてきたばかりでなく、金融の嵐が吹き荒れて薄っぺらな知的体系が粉砕されたことで、彼の体系はさらに高められ、より理解されるようになった。彼の優れた理論の恩恵を、多くの人が享受してきた──天賦の才に恵まれながら、卓越した才能や流行の理論に追随したことでヘマを踏んだ人々が数多くいた中で、彼らと比べて平凡な人々さえもベンの理論の恩恵にあずかったのである。 ベンが自身の専門分野において際立った点を挙げるとすれば、一つの目標にすべての努力を集中させるといったような、精神活動における狭量さにとらわれることなく、偉業を成し遂げたということだ。それはむしろ、ほとんど境界を超えた幅広い知性の副産物であったと言ってもいい。彼は私が出会った人々の中で、間違いなく最も視野が広い人間だ。実際、卓越した記憶力と尽きることのない知的好奇心、そしてそれを一見無関係に思える問題にも応用できる形に作り直してしまう能力は、どのような分野のことでも楽しいと感じさせてしまう彼の思考の幅広さを形成した。 だが彼の第三の要素──寛容さ──こそが、彼の成功そのものである。私にとってベンは師であり、かつての雇用主であり、また友人でもあった。そのすべての関係において──その他の教え子や従業員、友人たちと少しも分け隔てることなく──知識や時間や精神を他人に与えることへの、無制限かつ駆け引きのない寛容さがあった。考えを明瞭にさせたいとき、彼を尋ねるのが一番の方法だった。そして励ましの言葉が欲しかったり相談事があるときには、いつでもベンが迎えてくれた。 ウォルター・リップマンはみんなが木陰で休むための木を植えた人たちについて話した。ベン・グレアムはそういう人間なのである。
著者について
1894/05/08 ロンドン生まれ。1914年アメリカ・コロンビア大学卒。ニューバーガー・ローブ社(ニューヨークの証券会社)に入社、1923-56年グレアム・ノーマン・コーポレーション社長、1956年以来カリフォルニア大学教授、ニューヨーク金融協会理事、証券アナリストセミナー評議員を歴任する。 バリュー投資理論の考案者であり、おそらく過去最大の影響力を誇る投資家である。ロングセラーである本書『賢明なる投資家』(1949年初版)や『証券分析』(1934年)を初めとした彼の著書は、投資理論書のバイブルとなっている。彼の生涯および著作は大成功を収めた今日の実業家にインスピレーションを与えてきた。ウォーレン・バフェットもその一人である。1976/09/21 没
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
グレアム,ベンジャミン
1894‐1976。バリュー投資理論の考案者であり、恐らく過去最大の影響力を誇る投資家である。ロングセラー『賢明なる投資家』(1949年初版)や『証券分析』(1934年)を初めとした彼の著書は、投資理論書のバイブルとなっている。彼の生涯および著作は、大成功を収めた今日の実業家にインスピレーションを与えてきた
土光 篤洋
早稲田大学大学院修了。邦銀を経て、現在は外資系金融機関に勤務。専門は証券投資。公立大学の非常勤講師も兼務している
増沢 和美
山脇学園短期大学英文科卒業。同年より5年間、損害保険会社にて役員秘書業務に従事。現在は自宅で翻訳を行う
新美 美葉
早稲田大学第一文学部日本文学科卒業。出版社に2年半勤めた後、フリーのライター兼翻訳家になる。現在、ポーランド在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1894‐1976。バリュー投資理論の考案者であり、恐らく過去最大の影響力を誇る投資家である。ロングセラー『賢明なる投資家』(1949年初版)や『証券分析』(1934年)を初めとした彼の著書は、投資理論書のバイブルとなっている。彼の生涯および著作は、大成功を収めた今日の実業家にインスピレーションを与えてきた
土光 篤洋
早稲田大学大学院修了。邦銀を経て、現在は外資系金融機関に勤務。専門は証券投資。公立大学の非常勤講師も兼務している
増沢 和美
山脇学園短期大学英文科卒業。同年より5年間、損害保険会社にて役員秘書業務に従事。現在は自宅で翻訳を行う
新美 美葉
早稲田大学第一文学部日本文学科卒業。出版社に2年半勤めた後、フリーのライター兼翻訳家になる。現在、ポーランド在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)