今までこの類の啓蒙書はたくさん読んできたつもりだ。それらには素直に共感できた。しかし、この本は明らかに異質で、最初は理解に苦しむ内容が多かった。
たとえば、「難しいことには真正面から立ち向かわず、放っておけ」→困難には立ち向かうべきじゃなかった?とか、「不幸な人に関わるな」→ボランティア精神に反するんじゃ?とか、「賢者は一人で生きられる」→人は一人では生きていけないのでは?とか、極めつけが「正直者は愚か者」→私は愚か者だったのか・・・?!
抵抗を感じながらも、読み進めながら、自分の人生を振り返ってみると、ノーと言えないために周りからいいように利用され、気がつくと人の何倍も仕事をかかえてこなしているのに、なぜか評価されない。隣では涼しい顔をして苦労もせずいいところばかりかっさらっていく人が高く評価されている。そんな理不尽な思いをずっと感じてきた。要するに私は世渡りが下手だったのだ。この本を読んでそのことに気づかされた。正直しか取り柄のない私にとって、最初はこれって二枚舌や腹黒の勧めではないかとびっくりするほどの内容だったが、正直だけでは生きられない、いかにずる賢く、上手に世渡りするかを教えてくれる本なのだと気づいた。
もっと早くこの本に出会っていたら、私の人生は違っていたかもしれないとさえ思う。
本ってやっぱり素晴らしい。学校では教えてくれないことをたくさん教えてくれる。