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賜物 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2)
 
 

賜物 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2) [単行本]

ウラジーミル・ナボコフ , 沼野 充義
5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,730 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

ベルリンに亡命した青年が、世界的な蝶の研究者である偉大な父への追憶を抱きつつ作家として自立するまで描く。祖国への思いを込めたナボコフ最後のロシア語小説を原典から初の邦訳。

〈ぼくがこの作品を選んだ理由池澤夏樹〉
「賜物」
作家が、自分はいかにして作家になったかを小説の形で書くことがある。ロシアからの亡命青年ナボコフは、作家になるという運命を選び取り、そこから生じる苦労を神からの賜物として引き受けた。文学は充分その苦労に値するのだ。

内容(「BOOK」データベースより)

1984年、ベルリンに暮らす20代半ばの亡命ロシア青年フョードルは、最初の詩集を刊行したばかり。世界的な鱗翅類学者の父は1916年に中央アジアへの探検旅行に出かけたまま行方不明となり、美しき母と姉はパリに暮らす。彼自身の生活は貧窮を極めるが、プーシキンやゴーゴリといった偉大なロシア文学への献身が揺らぐことはない。父とともに蝶を追った別荘の思い出、亡命ロシア人サークルにおける文学談義、運命の女性との夜ごとのベルリン彷徨…。やがて彼は、芸術を二次的なものと考える進歩的思想家チェルヌィシェフスキーの評伝執筆に全力を傾けるようになる。

登録情報

  • 単行本: 622ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (2010/4/22)
  • ISBN-10: 4309709621
  • ISBN-13: 978-4309709628
  • 発売日: 2010/4/22
  • 商品の寸法: 18.6 x 13.6 x 4.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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By
形式:単行本
 「ロリータ」で有名なナボコフ。その人が戦間期にヨーロッパでロシア語を使って書いた本作、沼野充義訳。ロシア語から日本語に直接訳したものとしては初めてのものである。
 文章では、やはり美しく量感があっていいと思う。主人公が中央アジアを父と旅行したあたりとか、最後のベルリンの森の中など、無学でも感じられるものがある。
 しかしロシア文学の伝統と教養を繰り広げる辺りはまいった。かなりマニアック(今の日本では)だと思う。文学に関する文学なのだ。
 昔なんとか読んだプルーストを思い出す。たしかに良さは感じられるが、厚い長いしんどい。あれも文学に関する文学だった。
 ナボコフというとノスタルジーや技巧の作家として有名だ。人生の途中からアメリカに住んで英語で書くようになったこともあるので、母語のロシア語で書いた最後の作である本書に感傷的な興味を持つ人も多いだろう。だがこれは、感傷というよりは母国に対する文学者としての執念の本だと思う。軽く読める本ではない。それは確かだと思う。
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By hamachobi トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
池澤夏樹氏が編む世界文学全集の1冊。『ロリータ』ではなく、ロシア語版の原典から初めて訳されたこの作品が収録された。
『ロリータ』以外、ほとんどナボコフを読んだこともないし、ロシアの政治史、文学史についてほとんど知識のない自分では、読み通すのに苦労するかと思ったが、案の定、前半は読むリズムがつかめず、難儀した。

ただ、知識不足は沼野充義氏の詳細な訳注を頼りにし、また、だんだんと読み進めていくにつれ、ナボコフの文章のリズムにも慣れてくると、ナボコフという小説家の面白さ、複雑さに引きこまれていく。

特に、その構成は、5章に分かれているが、それぞれが独立した長編のような話になっていて、詳しい説明もなく、章を移り、話が変わると、初めは、自分の読解力不足のためか、戸惑ってしまった。

しかし、第5章までいくと、行き当たりばったりにストーリーを展開しているようにみえて、実は、最後の結末に見事収束していることが分かる。といっても、私自身はすべてを理解できたわけではないけれど。

ボリュームだけではなく、その構成、トリヴィアルな記述のために、読むのに体力がいる作品だった。
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形式:単行本
確かに難解だった。
フォークナーの「アブサロム アブサロム」ほどではないが、
クンデラの「存在の耐えられない軽さ」よりは上か、という感じ。

賜物は、確かに主人公の詩才を指すのであろうが、
何よりも血筋、家系、遺伝というものを含むのだろう。

天からの賜物を内に秘めるフョードル(主人公)という容れ物が、
世にとって賜物なのだという態度は、
ほとんどの読者からすると思い上がりも甚だしいが、
詩才に限らず、特別な才能に恵まれた者や特別な家柄に籍を置く者が読めば、
深く共感するところがあるかもしれない。

そういう視点でこの難解な物語を読み込めば、
自分の知らない世界(世界観)を虚心に覗くことができると思う。
天才が、不敬と傲慢のそしりを恐れずに、
本音で世間と凡人を語れば、こういうのもありうべしか。
それくらい主人公の矜持は突き抜けていて、
軽く批判はできない感じがした。

蛇足だが、
解説では、恋人のジーナも主人公にとっては賜物
と位置付けていたが、本当だろうか。
むしろジーナにとって、俺(主人公)が賜物なのだという文脈で、
ラストが展開されていったような気がするのだが…。
結局最後までしていないし!?
他の人はどう読むだろうか?
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