1975年6月21日公開。この後に控えていたパニック超大作『新幹線大爆破』との予算や扱いの落差など―諸説あり―に怒った深作監督が、この作品のみ自らの名を“ふかさくきんじ”とした。ビデオ草創期に発売された説もあるが、ともかくレンタルビデオ隆盛期から2008年、このDVD発売に至るまでソフト化されたことがなかったものの、熱心なファンの多かった作品だ。
冒頭、タイトル通りの計画が遂行されるまで、映画1本分のストーリーをおよそ25分というスピードで描写してしまうのだが、そこから先が二転三転四転………、もう息もつけない。
通常、観終わった後に重たい“なにか”が残る深作作品だが、この作品はホント、理屈抜きでひたすら、とことん面白い。
ホットでクール、ワイルドな魅力を放つ主演の北大路欣也さんをはじめ、低予算作品とはいっても助演から脇役に至るまで“『新幹線大爆破』に呼ばれなかったクセ者オールスター(?)”が勢揃い(ただし、欣也さんは『新幹線大爆破』にちょこっと出演)。
泥臭さが身上のこの時期の東映京都作品としては、かなりしゃれた感覚で作りあげられており、それはおなじみの常連・福本清三さんが、いつもよりパリッと仕立てられたスーツを着こなしていることからも感じとれる。
主人公の愛人を演じた太地喜和子さんの存在感はさすがだが、この作品世界の中ではいささか浮いてしまっている。というか、峰不二子とまでは言わないが、もっとアクティブなキャラクターでないと、この世界のヒロインとしてはキツい気がする(でも主人公を追おうとしてコケるところ、なかなかコケティッシュでした)。
まぁ、実はこの映画の《ヒロイン》というのは別にいて、主人公とつかの間の、しかし、だからこそきっと忘れられない邂逅を果たす。
それは私たち観る側にとってもグッとくる、忘れられない瞬間となるはずだ。
画質良好。レンタルあり。