日本を代表する消費財メーカー、花王と資生堂。あの伊藤忠ファッションシステムの川島蓉子さんが、その資生堂の近年の「メガ・ブランド戦略」をまとめた、というので、少し遅くなったが読んでみた。
感想としては、コスメ業界者かコスメフリークで、資生堂初心者(あまり良く知らない人)向けの、資生堂礼讃本。
資生堂の生い立ちや歴史に加えて、最近の前田社長の改革、主に「メガ・ブランド戦略」について解説してある。「メガ・ブランド」のうちで解説してあるのは「ツバキ」、「マキアージュ」、「エリクシール シュペリエル」、そして「ウーノ」の4つ。加えて、顧客接点深耕ブランドのひとつと位置づけられている「クレ・ド・ポー ボーテ」や、ヨーロッパや中国での歴史や現状も解説されている。
確かに資生堂という会社を俯瞰するには良い内容。資生堂の新入社員(とか中途社員)の研修用には最適かもしれない。
ただ、あまりに内容が薄いし、(インタビュー中心だから仕方ないけど)批判的な視点が無い。各メガ・ブランドについての章は、その誕生秘話とかは面白いけど、その内容は体系的でも網羅的でもない。「ウーノ」についてとか、中国の現状などは、たださらっと触れただけ、という感じ。紙面の関係で仕方ないけど、大きな改革をしているプロフェッショナル事業については触れてもいない。現在の資生堂が直面している戦略的課題などは記述もないし、少しある批判はあくまで「いち化粧品ユーザー」としてのものだけ。写真も冒頭以外はほとんど無いので、資生堂の製品とか宣伝を知らないと、読んでもあまりピンと来ないと思う。
というわけで、消費財業界の人は知っておくべき内容だと思うけど、深みが無いし、「資生堂ブランド」と堂々たる書名の割には、再度読み返すような本でも、飾っておく本でもないので、星は3つのみ。
でも、福原さんと前田さんが偉大なのはよくわかった。次は彼らの本を読んでみたいね、是非。