昨今では,「資本主義が金融危機をまねいた」として資本主義そのものを否定する論調や,「資本主義では格差が生じる.資本主義に替わる経済システムは存在しないため,格差が生じるのは仕方がない」という諦めモードの論調がみられる.
しかし,本書では資本主義は一色ではなく「アングロサクソン型」(米国主導の資本主義)と「アルペン型(又はライン型)」(ドイツ又は日本の資本主義)という分け方があり,それぞれの長所短所を述べた上で,ライン型に軍配を上げる.
ライン型が正しいか否かには賛否両論あるだろうが,本書を読むことで「資本主義は多様であり,いまなお進化している」という視座を得ることができるとともに,現在の資本主義の問題と対策を考える上での一助となること請け合いである.