全国でも人口減少率の高い四国の徳島県で不動産会社を運営しつつ、他の物件とは違ったオンリーワン新築戸建を建築。
高い入居率を誇る運営を続ける著者の説く「他とは違う物件」を作りなさいという主張。
まず他の不動産投資本の多くと同じく冒頭は今後の賃貸市場の物件の供給過多と人口減少について述べています。
この導入部はほとんどの不動産投資本で「ほぼ同じ形式」が取られており、特に目新しいものではありません。
よーするに不動産投資は「不労所得」などという安穏と出来るようなものではないということですね。
そんな過当競争時代に物件を選ぶならターゲットを全ての賃借人にしていてはダメだということです。
顧客の絞り込みを実行して、そのお客にピンポイントの物件を造りなさいということです。
「差別化する」それが競争時代でも大家さんが生き残れる戦略です。
物件のタイプとしては「戸建物件」になります。
これは賃貸用の戸建物件はニーズが多いのに反比例して、市場の供給が少ない点。
また駐車場付きのファミリータイプを想定することから、地方の田舎でも家賃が取れる可能性が高い点をあげています。
ただ、むしろ土地が高い都市部では成功は難しく、土地値がある程度落ちる郊外や田舎のほう向けの戦略であるというのが実情でしょう。
基本的には土地から仕入れて建築しますので、立地等かなり柔軟に選べるというメリットがあります。
但し、中古ならば500万円以下でも充分に取得可能ですが新築で建てればそうはいきません。
収支計画を十二分に練ることが要求されます。ローンの返済比率は60%以下と著者は記していますが・・・・実際は40%以下が理想。
エリアは現在の住まいから車で2時間圏内の土地勘のある場所限定にしましょう。
基本的に戸建賃貸は「土地値が安い場所」でしか成功できないはずです。土地を安く仕入れて建てる。
だから、地形が悪いとか旗竿地なんかでも安く仕入れられれば十二分にいける可能性は高い。
利回りは表面で15%は確保するようにしましょう。欲を言えば「中古なら20%」でしょうか。
ほとんどが「木造物件」になると思われますので築年は10年以内のものにしておきましょう。
何とか許せても平成築でしょうか。新耐震基準の昭和56年以降の建物でないと地震に対して流石に不安です。
他の物件と差別化といっても、何もお金を掛けてデザイナーズ物件を新築しなさいということではないのです。
お金を掛ければいいものが出来るのはある意味「当然」です。
要は「お金を掛けずにいかにして、他のライバル物件とは違う物件にするか」ということがキモです。
具体的には
・色で周辺の物件とは違うコンセプトを打ち出す。
・天井の高さは235cmは取ります。圧迫感がない物件にします。
・敷地内に植栽をしたり、砂利を敷いたりするなど全体的なバランスを考えます。
・工法は「2×4工法」がコスト・耐震性からいいようです。
・基礎は「ベタ基礎」が安定します。
・屋根・外壁には「ガルバリウム鋼板」を採用。
・窓は「ペアガラス」と「防露枠」にします。
・設備には「モニター付きインターホン」「浴室テレビ」「シャワートイレ」「システムキッチン」を標準装備。
・車社会ならば「駐車スペースは2台分」確保したいところです。
著者の計画・建築した賃貸用新築戸建は周辺の賃貸相場よりも1.3倍は高い家賃を取れ、いずれも高い人気で満室経営が続いているそうです。
入居者の属性も良く、満足度も高いとのことです。
ターゲットとなる顧客層に最適な物件を供給したことが成功のポイント。
新築で建築していく・・・という点で資金等のハードルはあるでしょう。
自己資金が少ない方は前述の「中古戸建」から参入してみてはいかがでしょうか。
そういった意味でも、もう少し「中古戸建」に関する記述が多ければ尚良かったかと思います。