嬉しい復刻本が小学館クリエイティブからまたまた発売。なんといってもこの出版社の魅力は従来の貸本復刻本に比して高いとはいえ手頃感がある価格設定であります。貸本バージョンの鬼太郎は少年マガジンで悪い妖怪退治のスペシャリストであり、弱者の味方という好感度で人気を呼んでいた当時は読者の前から完全に幻となっており、復刻は昭和50年以降ようやく実現しました。この作品も何度目かの復刻ですが後年のリライトで読んだ方も多い人気作です。登場人物の特異な個性がうまく描けているし、作画も見事で、貸本作家としての水木先生の最高傑作に値する作品ですが、先生が最も不遇な時代に発表された事を頭に入れて熟読すると自虐的な表現が散見されるのも納得できます。完全復刻と明記されておりますが手元にあった30年ほど前に発売された最初の復刻本(中野書店版)と吹き出しのセリフが異なるシーンがありました。僕はオリジナル原本を未見ですからなんともいえませんがはたしてどちらが発売当時と同一なのでしょうか?該当箇所は物語終リ近く4巻の幽霊電車のエピソードに登場する駅弁売りが弁当の内容を説明するセリフです。この本では人の鼻の生焼けと書かれていますが以前の本では具体的な人種表現がありました。作者からの要望で変更されたのでしょうか?見識あるかたの意見をお待ちいたします。