本書は、貸本として刊行された東考社版の3巻分を1冊にまとめたものです。安い文庫で、おもしろい漫画を読めることは大変ありがたいことです。
「悪魔くん」と聞くとやはり昔見たアニメのイメージが強かったので、それと同じ話かと思ったのですが、「墓場の鬼太郎」と同じように、まず会社の重役(悪魔くんの父親)に奇妙な家庭教師の仕事を頼まれた男が(「墓場の鬼太郎」では、血液銀行に努める男から話が始まったと記憶していますが)、不思議な世界に迷い込んでいくという物語です。そこで、「悪魔くん」が正義の味方なのかということは、はっきりとわかりません。
しかし、「悪魔くん」たちが苦労して呼びだした悪魔の持つ能力が、実は、人間が誰しも心の奥底にひそめているある意外なものであったことに驚きます。読み終わった後、悪魔が近くにいるのではないかと、考えさせられてしまいます。
昔の漫画は、コマが小さくて読めないし、話が古いから面白くないという漫画の読まず嫌いの人にこそ、お勧めの漫画です。