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買物難民―もうひとつの高齢者問題
 
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買物難民―もうひとつの高齢者問題 [単行本]

杉田 聡
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,680 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

商店街が急速に衰退し、たった1丁の豆腐を買うためにタクシーに乗らなければならないという事態さえ生じている。それは高齢者にとって死活問題である。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

杉田 聡
1953年生、帯広畜産大学教授(哲学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 206ページ
  • 出版社: 大月書店 (2008/09)
  • ISBN-10: 4272360620
  • ISBN-13: 978-4272360628
  • 発売日: 2008/09
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.2 x 0.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ぽるじはど トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
 著者にはクルマについて多数の著作があり、道路へのハンプや遮断機設置、クルマの価格を上げ、その銭で歩行者優先の道路改造を行え、との指摘は本書以前の著作から変わらぬ主張で、本書でも日本全国約120万KM中、歩道のある道路は10数%の現状をふまえての、高齢者(歩行者で事故被害者としての率は、全体の約50%)の安全を主とする道路行政への指摘は鋭い。

 中心街での完結する昔ながらの街づくりが、米の要求で1990年頃より郊外型大型店舗中心に移行し、商店街をシャッター通りに追いやった与党の責任は重い。
 日本では過去にも、ダイヤルQ2や民営化、教育政策など欧米で失敗したものを、その後取り入れると言うか、年次改革教書を律儀に守り押し付けられる事がままあるが、本問題も同じで、大型ショッピングモールの本場と言っていい米では既に青壮年層でさえ「店内が広すぎて買物が困難」との理由から、人気が落ちており、高齢者に至っては言わずもがなな結果を生んでいる。
 米の“買物難民”について指摘がないのは、他のレビュアー同様不満だが、そうであってさえ指摘する書籍が少ない中であっては、減点を踏みとどまる方がベターと感じた。

 内橋克人氏が規制緩和批判の際指摘したように、商店街を中心とした日本型経済を守らねばならないとの主張と、本書のそれはリンクする。
 消費者を呼び込むため、大型店の特価品における価格は非常に安く設定され、それに関連する商店が撤退を余儀なくされ、大型店しか買う場がなくなる。
 このような“焼畑商業”と名づけられた方法を、ウォルマートは意図的に追求し、仮にその大型店が撤退する際にも、大型店は商店街復興など地域振興への資金投下を行うはずもなく、買物ゴーストタウン化してしまうのである。

 地域の商店は、身体的・経済的事情から遠方の大型店へ行けなくなった人々、特に高齢者の生命線として守るような努力をせねばならぬのではないかと、クルマで大型店を訪れ買物をする前に考えることも必要であろう。

 最期にスウェーデンで、ストックホルムから100KM離れた物価の高い村に住む村の住民に、「何故ストックホルム迄買物に行かないのか?」と神野直彦氏が尋ねた際の住民の答えで〆る。
 「そんな事をしたら地元の商店がつぶれてしまう。   商店街が消えて困るのは町の住民・・・・中でも車に乗れない子どもやお年寄りだ、だから少々高くても日用品は地元の店で買う。」 
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16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
惜しい… 2008/12/8
By 存在しないIDです VINE™ メンバー
形式:単行本
本書で取り上げられている「買物難民」問題は、都市研究者の間でよく知られる英国の"Food Desert"問題と原因を同一にするものではあるが、英国の事例が低所得者層の多く住む地区への出店が避けられたことによる食料品・最寄品店舗の不足であるのに対し、本書で示される日本国内の事例は地域に関係なく高齢者層が食料品・最寄品を買う際の困難について言及したものである。

小売業の郊外化とモータリゼーションの進展は、若者〜壮年にはクルマさえあれば豊富な品揃えの中から大量に商品を買うことを可能としたが、クルマの運転ができない層、特に、将来の運転免許取得により状況を脱することができる若年層ではなく、既に運転免許の新規取得どころか更新も困難である高齢者層にとっては、まさに「日々の食料に困る」という死活問題と化している。
そこにおもな焦点を当てた研究、それも一般書として出版されたものは非常に数が少なく、それだけでも本書には相当価値があるといえるだろう。

一方で、本書は問題提起のみならず、この問題の解決策をも示している。
それは、既に過当競争が起こっているコンビニエンスストアにおいて高齢者向けの品揃えを強化することであったり、既存店舗からの宅配などの利用促進といったアイディアである。
既に国民の22%が65歳以上の高齢者である(平成20年度)現代日本においては、これらの解決策が重要なポイントとなるであろう。

ただ、惜しいところも本書にはある。
社会学・地理学等の分野において既に相当の先行研究のある英国の事例、あるいは経営学的な視点の研究が多い米国の事例等、他国での事例についてほとんど触れられておらず、「買物難民」問題をあくまでドメスティックな問題として扱っている点である。

日本以上の自動車化社会である米国の事例はもっと深刻である。
彼の地では、足元もおぼつかない高齢者がよたよたとクルマに乗り、広大な郊外のショッピングセンターで青息吐息で買物をして、またふらふらとクルマで帰宅するという事例が既に日常茶飯事となっている。
こうした他国との比較によるグローバルな視野の欠如が、本書の非常に惜しいところである。
そこを勘案して、評価は星4つとさせていただいた。
だが、現代日本の都市部における小売業を考えるには、避けられない資料ではある。
矢作弘氏の『大型店とまちづくり―規制進むアメリカ,模索する日本』ともども、当該分野の研究者には一度目を通しておいて欲しい一冊である。
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形式:単行本
2008年刊、最近話題の買物弱者問題に『買物難民』というセンセーショナルなタイトルで切り込んだ本書の著者は、なんと哲学の教授。
実母が買物難民となった体験から、社会調査の手法を学んで取り組んだ力作である。
アンケート調査の生の声をふんだんに取り入れて、ひたすら高齢者、買物弱者目線での記述は、いっそすがすがしいものが有る。
ただ、たった3年で新たな顧客層開拓のターゲットになっている感のある市場主義のダイナミズムの動向も、別途押さえておく必要はあろう。
ちなみに、他の方がレビューで書いている『ママ』という表記は、アンケートなど生資料の誤字などを訂正せずにその『まま』掲載する時の註釈としての決まりごとなんですけどね。
どこかに説明しておけばよかったですね。
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