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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
貴族ともなると探偵も推理しない!!,
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レビュー対象商品: 貴族探偵 (単行本)
設定そのものが非常にユーモラスで、
貴族ともなると、探偵といえども、推理は雑事、 そんなものは使用人に任せるんですねぇ。 肝心の中身は、緊密な構成の、無駄のない文章で綴られた ロジカルな短編ミステリーです。 もちろん設定がおもしろいので、ちょっとしたギャグ描写はありますが 全体に無駄がないから引き立っています。 引き合いに出して申し訳ないですが、このミスとか文春とかのランキングで 上位に行った『叫びと祈り』に比べて、なんという無駄のなさか、と思います。 (あっちは作者が若いので仕方ないですが、文章にケレン味がありすぎて 実にくたびれた。) フォントがクラシカルであるところとか、ドイツ語の訳題が付されている ところなども雰囲気があって、本全体の作りがひとつの空気になっています。 素晴らしかった。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
これぞ貴族,
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レビュー対象商品: 貴族探偵 (単行本)
面白かったの一言。麻耶雄嵩は読者を裏切らない。
不思議な世界観に引き込まれた頃には貴族探偵の虜になっていることうけあいだ。 人を食ったようなキャラクターたちは魅力にあふれている。 気に入った脇役が多くいて、困ったほどだ。 テレビドラマにも出来そうだが、珠玉の本格短編集なだけに難しいかも。 続編を強く希望したい。
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
地味ながら企みに満ちたパズラー短編集,
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レビュー対象商品: 貴族探偵 (単行本)
著者の別シリーズの探偵役・メルカトル鮎は、『夏と冬の奏鳴曲』において、 〈銘探偵〉と自称し、推理の過程をスキップして、ただ真実を伝えるといった 役割を担わされていましたが、本作の貴族探偵は、そうした“託宣”を下す こともなく、真相究明は使用人に丸投げし、自分は、事件関係者の女性を 口説くだけ――という、何ともオフビートな人物造形がなされています。 そこには、著者一流の深遠な“探偵論”があるのかもしれませんが、それは さておき、本作自体は、ロジックに特化したストイックなまでにガチンコな本格 ミステリ短編集となっています(“物語”なんて、どーでもいいというような潔さ)。 一見地味に感じられますが、短編一つひとつに見逃せない“捻り” や趣向が加えられており、パズラー好きには堪らない短編集です。 ■「ウィーンの森の物語」 大事な商談に臨むため、山荘に来ていた会社社長を、 自殺に見せかけるべく殺害し、密室を構成した犯人。 しかし、被害者のポケットに部屋の鍵を戻すために使った 糸を回収しようとした際、糸が切れて現場に落ちてしまう。 その不測の事態に対し、犯人は……。 作中では、密室を構成する動機として“自殺に見せ かけるため”以外にも、もう一つ挙げられています。 不測の事態を受け、犯人は臨機応変にもう一つの動機に方針転換することで 容疑を逃れようとしますが、ある“品物”のために馬脚を露してしまいます。 ベタでローテクな物理トリックの失敗を起点に、一風 変った展開を描き出してみせる著者の手腕が秀抜です。 ■「トリッチ・トラッチ・ポルカ」 頭部と両腕の肘から下を切断された身許不明の女性の死体が発見される。 その数日後、被害者の頭部と両腕、被害者の所持品や凶器が発見される。 それらのものを河原に埋めていたところを目撃された男が、 容疑者と目されるが、その男には完璧なアリバイがあった。 のちに、被害者が恐喝者だった事実が判明。容疑者の男を はじめ、複数の人間を強請っていた形跡が残されていて……。 ××を彷彿とさせるシュールで破壊力抜群なトリックが 秀逸(両腕を肘から切断していたというのがポイント)。 さらに、現場の状況から、犯行時刻を絞り込み、 意外な犯人を導き出す手順もよく出来ています。 ■「こうもり」 女子大生の紀子と絵美は、旅先の高級老舗旅館 で、人気作家の大杉道雄と堂島尚樹と知り合う。 大杉には、妻とその妹夫婦という連れがあり、彼ら のあいだには、どことなく不穏な空気が漂っていた。 そして、案の定というべきか、殺人事件が発生し……。 表向きは、脱力感を誘う、安易なトリックが用いられていますが、 叙述の上で著者一流の超絶技巧が駆使されている集中の白眉。 作中人物と読者双方をそれぞれ別のポイントで欺瞞し、それに よって生じる齟齬が、巧妙なミスディレクションとなっています。 ■「加速度円舞曲(ワルツ)」 楽しみにしていた海外旅行の取りやめ、恋人の浮気の発覚、落石 による自損事故……と、まるで加速度がついたかのように不幸の 連鎖に見舞われた編集者の美咲。 たまたま事故現場を通りかかった貴族探偵の車で、落ちてきた石が あったと思しき別荘を訪れると、担当している作家・厄神の死体が……。 時間を巻き戻していくように、事件の再構成が行われていくプロセスが秀逸。 迷信深い被害者のために右往左往させられ、自爆してしまった犯人が笑えます。 ■「春の声」 名家・桜川家では、当主の孫娘の婿選びが行われていた。 三人の婿候補は、みっともない鍔ぜり合いを演じて いたのだが、やがて不可解な連続殺人が発生し……。 当初想定された事件の構図を、ロジックによって完全に反転させる離れ業。
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