本訳書は「主に新古典派経済学およびケインズ経済をベースに現実の経済事情を捉えようと研究」しているメンバーによる全訳である。綿密な資料調査に基づいた本書の訳出は「試練の毎日」であっただろうことは想像に難くなく、邦訳版の公刊までのご苦労は敬服に値する。
しかし、多くの誤字・脱字、校正ミスはさておき、明らかな経済理論・学史に関する誤解・無知による誤訳、不適切な訳が散見されることに、不満を感じざるを得ない。たとえば、貨幣の「超中立性」を「過度の中立性」と訳し、また“・・・ the Cambridge economists were, like