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貧民の帝都 (文春新書)
 
 

貧民の帝都 (文春新書) [新書]

塩見 鮮一郎
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

明治期、東京に四大スラムが誕生。維新=革命の負の産物として出現した乞食、孤児、売春婦。かれらをどう救うか。渋沢栄一、賀川豊彦らの苦闘をたどる。近代裏面史の秀作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

塩見 鮮一郎
1938年、岡山県生まれ。岡山大学法文学部ドイツ文学科卒。河出書房新社編集部をへて作家として独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 251ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2008/09)
  • ISBN-10: 4166606557
  • ISBN-13: 978-4166606559
  • 発売日: 2008/09
  • 商品の寸法: 17 x 11 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hanaohanao トップ1000レビュアー
形式:新書
 読み応えがある新書。塩見さんは、明治維新後の被差別民を巡る状況変化を組み込みながら、明治から現代にいたる政府による貧民政策の変遷を説明している。現在と当時の地図を重ねる形で、帝都の各貧民窟を紹介しているのには唸らされた。これには信濃町、新宿、神田などの地域が含まれる。
 また、日本の資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一の業績に大きな評価を与えている点も印象に残る。渋沢は、東京養育院、東京慈恵会、日本赤十字社、聖路加などの設立・運営に関わっている。その中でも、東京養育院から東京都老人医療センターにへとつながる社会背景の変化が興味深い。
 塩見さんは、自分の経験から積み上げる形で貧民史を書いてらっしゃるように感じます。ただ資料を押し付けるのでなく、自分が歩いて疑問に思ったことを調べてきたのだと思います。
このレビューは参考になりましたか?
30 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
明治以降の貧民救済事業を解説し、現在の福祉行政に失われたものを振り返る。
明治元年春の東京は無政府状態だったようで、江戸城が巨大な空き家になり乞食が入り込み夜鷹を連れ込んでいたとは驚き。
本書でわかりやすいのは、様々な救貧所や孤児院、貧民窟の所在地を現在の地図で解説していること。
三大貧民窟に加え、新宿南口の天龍寺町や願人坊主の巣窟、神田橋本町も図示してくれる。
救貧事業に半生をささげた渋沢栄一の偉大さも実感した。現代の財界人とは”格が違う”という月並みな言葉では形容できないような存在だ。
著者は、戦前の庶民には同情・憐れみ・惻隠の情が残っていたが、戦後、福祉を行政に丸投げすると人々は無関心・冷淡になった、手垢のついた人権とか平等主義を脱却して、仏教の”ほどこし”の文化を復活せよと説く。
共感するが、現在の価値観で当時を酷評したり、貧民の怨みつらみを語るのは若干鼻につく。
このレビューは参考になりましたか?
24 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 遊鬱 VINE™ メンバー
形式:新書
「貧困」問題がクローズアップされる現代、鑑みる歴史資料はこの一冊に尽きます。要するに昔も今も満足な公的貧困対策としていいうるものはなく、遡ると江戸時代の七分金積立制度など民間の相互補助・互助の精神依頼の民間のボランティア精神に頼っていたということになる。

この書でも色々と「聖人」とされる人間が登場するが57年の長きにわたって養育院を守り育てることになった渋沢栄一氏にただただ頭がさがるとしかいいようがない。渋沢氏を日本の資本主義の生みの親としてだけ評価するのは完全に間違っている。これをノブレス・オブリージと言わずして何を言うのか。翻って公けが口にしてきた(そして現在も聞かれる)「自己責任」という言葉がいかに貧困対策を怠るだけの方便として使われてきたかがわかります。
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