この本の魅力は、作者の強さが支えています。
作者はカトリックの信者で、海外への援助を行うNGO活動をしています。
キリスト教の信者というとなんとなく甘い感じがするかもしれませんが、逆です。現実のきびしさをくぐりぬけてきた戦士のような強靭さを持っています。
それは例えば、次のような文に見受けられます。
「平和憲法を尊守してアメリカの傘の下にいれば軍隊なんかいらないという人がいるが、基本は自衛だ(概要記述)」
「世間は皆いい子でもなければ、人は皆平等でもないのだ(そのまま)」
信じられないようなアフリカの僻地に自ら赴く様子も書かれています。そういった文章を読んでいると、不思議に勇気がわいてきます。強い人の近くにいると、エネルギーをもらう、ということがありますが、そういった感じです。うなだれて生きている自分を、少しは改めて、もうちょっとましに生きてみようか、という気になります。
もちろん、そんな啓蒙書としてではなく、単にエッセイとしても、十分に魅力のある書です。