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42 人中、42人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
最貧国とも呼ばれたバングラデシュからこのような人物が出てくることに、新たな未来を感じた。,
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レビュー対象商品: 貧困のない世界を創る (単行本)
2006年ノーベル平和賞を受賞したマイクロクレジットのグラミン銀行創設者ムハマド・ユヌスの最新作。初めてこの人の本を読んだが、志の高さと、行動力そして新たな経済システムとも言うべき「ソーシャル・ビジネス」の提案など、その思想に感服した。 なんといっても、今の多くの資源を消費することを美徳とする資本主義が行き詰まっている今、このような考え方が持続可能な新たな世界の構築に役立っていくのではないかと期待させられる。 彼はバングラデシュから貧困をなくすために開始したマイクロクレジットだけではなく、医療から教育、携帯電話などなど様々な事業(ソーシャルビジネス)を行っている。 それらの中で、本書では開始して間もないフランスのダノンとの合弁事業の展開が詳しく述べられている。この過程で今までのダノンにはない、太陽電池パネルを備え水処理システムなどを備えた環境対応型で多くの地域に雇用を創出する小さな工場の建設提案や、トウモロコシを原料とした生分解プラスチックの容器への使用など新たな試みがいくつも出てくる。素晴らしいのは、この事業の目的が、貧しい人たちの栄養状態の改善と彼らへ職を提供することにより貧困を減少させること、そしてそこから得られる利益は投資家には還元されないというものである。 彼は、経済のグローバル化は否定はしていない。むしろアプローチの仕方によっては貧しい国々を助ける力になると述べている。しかし、その負の側面に対しては適切な監視やガイドラインの必要性を訴える。 彼の描く未来は明るい。第三部の「貧困のない世界」にその夢は述べられている。先進国からではなく、最貧国とも呼ばれたバングラデシュからこのような人物が出てくることに、新たな未来を感じた。
18 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
資本主義システムのmissing pieceとしてのソーシャルビジネス,
By YOUKING (東京都目黒区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 貧困のない世界を創る (単行本)
経済のグローバル化、市場の自由化は素晴らしいことである。金融技術、情報技術などの発達もあって、我々の生活は過去50年で大きく改善している。しかしながら、それは地球上の極限られたわずかな人々の話であり、世界の人口の半分は一日当り2ドル以下での生活を強いられている。本書ではこの不合理がなぜ起きているのか、それをどのように改善すべきかを自身の経験に裏付けられた信念、理論で語られている。曰く、今までの経済学では「人間をただお金だけを動機、満足、幸福の唯一の源とする一事件的な生き物だという前提」があり、資本主義のシステムも利益を最大化することを目的とした企業を前提に作られている。しかしながら我々は寄付をするなどして困っている人を助けたりするし、人のためになることに喜びを感じる。また最近では企業の社会的責任が注目を集めるなど、人間は必ずしもお金、利益だけを目的として生きている訳ではない。 経済的な利益と社会的な利益は究極的には両立出来ないというのが氏の主張で、社会的な利益を追求するソーシャルビジネスという新しいモデル、システムを提唱している。 今の企業社会、資本主義社会に疑問を持っている方には一度読んで頂くと、社会に対する新しい見方が出来て良いかもしれない。
11 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
経済学の忘れもの,
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レビュー対象商品: 貧困のない世界を創る (単行本)
2006年ノーベル平和賞はムハマド・ユヌス総裁とグラミン銀行に贈られた。受賞理由は「貧困層の社会的経済的基盤の構築」だった。 この本は、ユヌス氏のノーベル平和賞受賞後の初の著作にあたり、貧困層への融資 (マイクロクレジット)に関する考えが詳しく語られている。 (1)世界銀行等への批判 世界銀行は「貧困の排除」を目標に掲げているが、大規模な経済成長を通じてのみ しか貧困層の救済を考えていない。経済成長は時間がかかりすぎることが多く、また 成長は貧困層を犠牲にすることがありえる。ユヌス氏の世界銀行批判は厳しいが 世界銀行の存在意義を否定しているわけではなく、その手段・パラダイムの古さを 指摘している。 (2)融資のスキーム 借主は5人組で相互扶助組合を作らなければならないが、借主以外の4名は連帯保証 とは異なり債務の返済義務を負うものではない。これはバングラデシュのように、 人口の流動性が低く、相互補助意識の高い国にしかなりたたない可能性はあると思う。 (3)融資の条件と対象 働くこと(商売すること)を条件としその運転資金として貸し出しを行う。 借主の97%が貧困家庭の女性。ユヌス氏は女性への融資は男性への融資に比べ 子供の教育資金に回っていくことが多いと説明している。 (4)回収率 98.9%と通常の融資と比べ回収率について遜色はない。 (5)教育活動 グラミン銀行は識字率の向上にも力をいれている。 (6)サブプライムローンとの違い 消費目的には融資しない。また融資の債権を商品化し転売することはない。 (7)マイクロクレジットの思想と社会主義の関係 マイクロクレジットは飽くまで資本主義の中で貧困層を中間層に押し上げることを 目標としている。 経済学・金融論はもともと人間の幸せの追求が動機であったはずだが、幸せを効用という 言葉に置き換え、人間はどのように行動するのかを予測する学問に変質してしまったの かも知れない。 私はこれからもグラミン銀行を見守って行きたい。
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