本書は、新自由主義の原理が浸透して国家の再編成が迫られた、EU統合後のヨーロッパの貧困問題を論じたものである。
本書は二部構成で、「貧しきは罰せよ!」という題した第一部は、至る所に見られる、貧困への厳しい眼差しが指摘される。貧困は救済の対象というより、社会不安の元凶であり、取締りの対象なのだ。
第二部では、EU統合に伴って進行する、ヨーロッパ各国の警察ネットワークの強化という現状が論じられる。これは、今日、ヨーロッパ各国における排外主義的な運動とイデオロギーの背景だという。EU加盟国出身者にとってはセキュリティと移動の自由の拡大を意味するEU統合と警察のグローバル化だが、EU加盟国以外の人間に対する眼差しは、却って厳しいものになっているというのである。
グローバル化の意義、功罪を検討する上で、必読の書であろう。