新聞広告で書名が面白そうだったので手にとった。著者はコミックの「クロサギ」の原案を書いたりしているルポライターとのこと。本書で初めて知った。
悪い奴らが哀れな貧乏人を喰らう手口は、生活困窮者から生活保護をピンハネする、ホームレスから戸籍を買いとってニセのパスポートを作ったり、偽装結婚や養子縁組で不法入国者を斡旋する、ちょっと小遣い稼ぎがしたいOLを騙して密輸の片棒を担がせるなど、これでもかというくらい多種多様。もちろん喰いものにする方が圧倒的に悪者だが、しかし喰いものにされるほうにも、働きもしないで楽して稼げる話に飛び付いたり、収入もないのに遊ぶ金を欲しがったりして、人の心の弱さを露呈している点が悲しい。
騙す方、騙される方、双方のインタビューから構成されていて生々しいルポタージュに仕上がっている。普通の人がちょっとしたきっかけでウラ側に落ちてしまう昨今の世相の怖さ、脆さを活写して見事であった。