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貧しき人びと (新潮文庫)
 
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貧しき人びと (新潮文庫) [文庫]

ドストエフスキー , 木村 浩
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登録情報

  • 文庫: 260ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1969/06)
  • ISBN-10: 4102010068
  • ISBN-13: 978-4102010068
  • 発売日: 1969/06
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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By 紫陽花 VINE™ メンバー
ドストエフスキーのデビュー作。後の大作群に比べると小品なのだが、彼の特徴はデビュー作から良く出ており、人間観察に基づく圧倒的な心理描写、庶民の視点に立った温かい思い遣り、そして何と言っても読者を物語に引き込む職人芸、これらが全て本作でも発揮されている。

物語自身は、下級官吏と下流層の若い女性の恋を主に書簡を通じて語るというもの。ロシア文学の伝統か、男側はやや高齢に設定してある。男は自分に自信がないため、書簡の中で饒舌となる。この饒舌性はドストエフスキーの一つの特徴であり、会話の中であれ、地の文であれ、作者の迸る心理描写は止まる所を知らない。作者自身も貧困のドン底で作品を書いているので、作者が主人公二人を初めとする貧しき登場人物達に同情の眼差しを向けるのは当然であろう。そして、作者の想いをそのまま読む者に伝える事ができる並外れた筆力が、またドストエフスキーの特徴である。更に、文学性を考えずに単なる通俗小説としても読める作品を生み出す力も驚嘆すべきものがある。本作はデビュー作でありながら、これらの特徴が全て出ているのである。

結末を安っぽいハッピー・エンドにしないのも作者らしい。本当に泣けてくるのである。これで、一番軽めの作品なのだから、ドストエフスキーは恐ろしい作家である。世界の最高峰の小説家がその持ち味を出し読む者の圧倒的共感を呼ぶデビュー作にして傑作。
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20 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 天国
私の初めてのドストエフスキー作品でした。

「罪と罰」が読むべき名著であることはわかっていましたが、なんとなくロシア文学というと小難しいイメージがあり、まずは薄い作品から読破してみようと思い本作を手にとりました。

本作は、マカール氏とワーレンカ嬢との間でやり取りされた書簡を交互に載せるという構成です。

マカール氏の手紙には、己の惨めな人生を卑下する文句がいくつも散りばめられています。

ここだけの話、私の人生もかなり惨めなものであるので、マカール氏は私の代弁者であると感じるとともに、それを小気味よくも感じました。

そんなマカール氏の言葉をいくつか抜粋します。

「ワーレンカ、私は無学な老人です。若いころに勉強をしなかったので、いまさら勉強をはじめたところで、なにも頭に入らないのです」(p.23)

「あの人の前に出れば、わたしなんか一文の値打ちもありません!ほんとに。あの人は有名な人なのに、このわたしは何でしょう?ただもう―存在しないも同然じゃないですか」(P.100)

「わたしなんか木偶坊のようなもので、われながら自分が恥ずかしくてしかたがないものですから」(P.101)

「自分をなにか意義のある人間のように考えるのは、とんでもないこのとのように思いました」(P.183)

この自己卑下っぷりが好きです。

さて、意外とドストエフスキーは読みやすい作家でありました。

そして、世間のものごとに対する洞察がとても鋭く、文章から得るものは多くありました。

私は、ボールペンで気に入ったところには線を引きながら本を読むのですが、本書は見返してみるとラインを多く引くことができました。

次は、「罪と罰」などの長編の作品を読破してみようと思いました。

きっと、そこからも得るものは多いことでしょう。
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By 簿記受験生 殿堂入りレビュアー
「第二のゴーゴリが現れた」とロシア文壇で絶賛されたこの作品であるが、普通に読んでみると小役人マカールと薄幸の少女ワーレンカの単なる文通小説にしかみえない。しかしロシア文学史の文脈から考察すると、この作品の斬新性が俄然見えてくる。江川卓氏「ドストエフスキー」に詳しいが「貧しき人びと」は、カラムジンという前世代のロシアの代表的作家の書いた感傷小説「哀れなリーザ」、そしてそれをプーシキンがパロディー化した『ベールギン物語』の「駅長」をさらにパロディーにしたメタ文学的作品なのである。この作品の真の理解には本当は「哀れなリーザ」「駅長」を読んでおく必要がある。そして二重にパロディーを試みたメタ文学を処女作において完成させた意味で、既に後期の「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」などのバフチンの言及するところの「他者としての登場人物どうしの対話」という文豪の重層なテキストの萌芽は、既にこの「貧しき人びと」に現れているのである。
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ドス作品と聖書との関係は、既に処女作から発揮されている。
読み返した二度目でようやく気づいた。そうか著者は本書で、... 続きを読む
投稿日: 2008/3/4 投稿者: ブリキ男
なぜ小説を読むのか?
本編は往復書簡集を小説化したものです。ドフトエフスキーの処女作です。... 続きを読む
投稿日: 2007/10/20 投稿者: フジキセキ
毒気が少ない作品
本作は、マカールとワーレンカの往復書簡という形式を通して、貧しい中にも互いに助け合う人間の美しさを描きます。最後は、ワーレンカが自らの愛情にそむきながらも、生活の... 続きを読む
投稿日: 2007/4/13 投稿者: Confesion Del Viento
「ヒューマニズム」という言葉では説明しきれない
大学に入ってはじめに買ったのがこの小説でした。すでに『罪と罰』を読み終えていたので、思想的な面での難しさを感じることはありませんでした。... 続きを読む
投稿日: 2006/2/12 投稿者: しんく
よみやすい!
ドストフ3作品目に読んでみて「あれ?読める」って思ったのは僕だけじゃなかったみたいですね。なぜ読みやすかったかというと登場人物が少なかったのと思想だの宗教だのが全... 続きを読む
投稿日: 2005/11/30 投稿者: コーヒー太郎
心の豊かさを知るのは気持ちいいです
とにかくドストエフスキーの本が読みたくて2番目に読んだ作品です。最初に「カラマーゾフの兄弟」に挑戦したんですが、なにしろ言い回しが複雑でかなりの集中力を要するため... 続きを読む
投稿日: 2005/3/21 投稿者: 八人の侍
貧しいというのは辛いな
内容は登場人物マーカル・ジェーヴシキンとワーレンカの手紙のやりとりで
書かれていて読みやすいです。... 続きを読む
投稿日: 2004/6/9 投稿者: マツイ村長
多少の詰まらなさは感じる
ドストの処女作、ここから始まったという意味では重要。ドストが生涯において、どのような人物を描きたかったのか、それが分かったように思う。... 続きを読む
投稿日: 2004/5/10 投稿者: 三流の骨太
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