本全体は平易な文章で書かれ、事例も豊富で著者の経営への強い意思と社員に対する優しさが伝わってくる。
かつて、社会学者 浜口恵俊が唱えた「間人主義」を思い出した。
浜口氏による「間人主義」とは、1996年発行の書籍『日本型信頼社会の復権-グローバル化する間人主義』にて提唱された。
日本人の行動・組織・社会の基底にある統一原理で、人と人との間柄を重視し、他の人との有機的なつながりにおいて自己を認識し、人々の相互信頼・相互依存の関係に、価値基準をおくものである。
しかし、当時と大きく異なり、今、そのつながりはICTによって国境を超えて広がって連鎖し、「血縁」や「心情」を超えて化学反応を起している。
失われた20年を省み、アングロサクソン・モデルや成果主義の正当性がほころびをみせはじめた昨今、あらためてグローバル化に向けた日本組織のとるべき道筋、アイデンティティと強みを活かした経営の視点を提供してくれる書であるといえるかもしれない。