これは読む価値のある良著だ。
産経新聞編集委員兼論説委員である田村秀男氏が、まず羊飼いを財務省・財務官僚に、羊を日本国民あるいは日本経済に、村を永田町(政界)に、村人を政治家にそして狼を国際投機勢力あるいは強欲極まりない金融資本と見立てる。そして、羊飼いのために働く牧羊犬は「税金」。羊飼いの仕事を楽にし、犬の数が増えれば羊飼いの縄張りが増える。 ただ、牧羊犬の数を増やすには村の承認が必要。 そこで羊飼いたちは一計を案じ、「犬の数を増やさないと狼が来て、日本経済という羊をめちゃくちゃにする、と村人たちを説得。折から、牧草地の垣根を取り払うグローバリゼーションのせいで、狼は世界中からやってくるという。 はるかかなたのギリシャ・イタリアなどの羊は、既に狼にやられていると大騒ぎ。「ギリシャ、イタリアを見ろ。牧羊犬をふやさないと、狼が来る。もっと犬が必要だ。」と騒ぎ、永田町村の村人たちを慌てさせている。 村では野田村長らは財務官僚羊飼いの言うことなら全て正しいに違いないと信じている。 羊飼いたちの策略で、うまいこと村長にもなれた。 村長補佐は全て羊飼いの子飼いの者たちで固めた。
しかし、村の中にも「あの胡散臭い羊飼いたちに騙されるな」という声も。 こうした分かりやすいイントロの後には、
・増税しなければ財政破綻の真っ赤なウソ
・オオカミ少年・財務省のだましのテクニック
・脱円高・脱デフレこそ最優先事項だ
・世界通貨戦争に負け続ける日本
と事実分析が続き、最後に
・増税なしの「100兆円日本再生計画」という終章で日本再生への提言がなされている。
増税一本槍で、羊飼いの言うがままの政治、国民の経済的幸福を破壊しても気にもとめない野田村長がいかに羊たちを脅かしているか。
増税賛成派・反対派共に一読を勧めます。