今から25年近く前に書かれた内容とは思えない新鮮かつ普遍的な目線が、ふんだんに盛り込まれた好著。著者が現役を引退して、野球評論家として活躍していた時期に、時には冷徹・時には温情の目で、各チーム・選手・監督の実情を、非常にわかりやすくユーモラスに書いている。「自分の成績・タイトルにこだわる『利益型』から、チームの勝利に貢献することを第一と考える『貢献型』への脱皮」は、最近の著書でよく目にする内容だが、既に25年前から言い続けていたことに驚かされた。プロ野球にとどまらず、広く組織を率いるリーダーとして、いかにあるべきかを明確に示しており、できるだけ多くの人に読まれてほしい本である。野球の奥深さや組織づくりの難しさ、そして何よりも野村監督の"すごさ"に圧倒させられるはずである。