中国および中国人に関する書籍は数多く出ているが、「貝と羊の中国人」は抜群のできである。著者は中国史、日本史、漢文、数多くの日中の古典をふまえ、なおかつ冷静な視点で本書を書き上げている。
通読すると、その博学ぶりに驚くし、私のような無学な者あっても縁遠かった中国の歴史の体系的な理解ができてしまう。とにかくわかりやすい。
著者は東アジア、ヨーロッパを俯瞰した上で、中国人の歴史観、世界観を説明する。したがって本書に書かれているのは、中国だけではなく、日本、ヨーロッパ、朝鮮等の世界観・歴史観であるし、その精錬課程である。壮大な文明比較論である。
中国とのつきあい方を考えとき、我々はともすると中国を一方的に非難しがちであるが、本書を読むと中国人の精神構造がよくわかり、冷静に中国を見つめることができると思う。
多くの人に読んでいただきたい一冊。