最初の5巻は紛う事なき名作です。
ヒロイック・ファンタジーとしても、三国志的な国盗り物の序章としても、SFとしてもです。
抑制を効かした文章(この著者にしては、ですが)、魅力的な伏線、ストーリーの展開、キャラクターの立たせ方、どれもこれも素晴らしいです。
この初期の勢いと刷り込みだけで、20巻くらいまでは一気に読み進めるでしょう。
しかし、それ以降は覚悟が必要です。
本当にこの小説と最後まで付き合うのかどうか?
どこで夢が覚めてしまうのか?
そういった岐路にぶち当たります。
それは各人によって異なると思います。私は50巻くらいまで自分を騙し騙しやってきましたが、限界を感じて見切りました。
依然として素晴らしい箇所も沢山ありますが、全体としてはとてもプロの作品のレベルには無いと思います。
はっきり言ってしまうと、途中からこの小説は同人誌と同じレベルに成り下がります。
著者にとって、悪い意味での「ライフ・ワーク」になってしまったのだと思います。
内容は限りなく薄くなり「キャラ萌え」できない人間にとっては読むのが苦痛なページが大半を占めるようになります。
私は、今でも新刊が出れば立ち読みや図書館で借りて読んでしまいますが、はっきり言って惰性と義務感以外の何者でもありません。
しかし、そういう事を含めても、これだけの長編を書き続ける体力、魅力的な世界とキャラクターを構築してしまった筆力と想像力は賞賛に値します。
なにより、最初の5巻は素晴らしいです。それだけでも、この小説を読む価値は充分にあると思います。
これからこの小説に手を出す方は、そういう事を踏まえて、落胆しないように心構えをした方が良いでしょう。