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彼らが相談に来てどのようなことをしゃべったか、そして筆者はそれら〈患者〉に対して精神科医として何が問題点と感じ何を施したかということを書いてある。そしてなぜこのような〈モノ語り〉型の患者が増えたのか、日本は今後どのようになっていくべきかを精神科医の立場から書いてある。
往々にして上記の彼らが自らの生活を語るとき、「モノ」を媒介にして雄弁になると著者は言います。それを著者は「モノ語りの人々」と名づけました。「モノ」を媒介して人間関係を構築する人々、あらゆる事象を「モノ化」する事で様々な葛藤を軽減することに熱心な人々。彼らは「モノ」によって自分の生活の全景を俯瞰(ふかん)しようとします。
著者独特のやさしい語り口が、ともすれば社会批判的になりがちな主題を穏やかに包み込んでいます。もちろん著者は自分の考えの押し付けなどしません。ただただ自分を考えるきっかけを与えてくれているのです。本の構成も読者が自らの生活の周辺を思い浮かべながら共に考えられるように練られていると思います。
ぜひ彼の著書「やさしさの精神病理」「貧困の精神病理」などとあわせてお読みになられることをお勧めいたします。より視野が広まること請け合いです。
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