犬と猫が仲良くしている姿だけでもじゅうぶん癒されますが、
その写真だけならネットでも見かることができます。
この本も、全体の半分に、犬と猫が寄り添うカラー写真が満載です。
書店で開いたらそれだけでくらくらしました。
しかし、石黒さんの、動物に向ける太陽のような視線が漂う文章で、
かわいい写真からの和みだけではなく、
つい忘れてしまいそうになる、日々のなにげない日常のありがたさ、
人として携えておきたい慈しみの心が
押しつけがましくなくしみこんできました。
ごく普通に、2匹と暮らすことを綴っているのですが、
捨てられていたコウハイが、保護され、また死にかけてと、
たくさんの人の愛情をもらっていたこともわかりほろり。
犬猫とも小さい時からの写真がふんだんで、
犬パート、猫パート、2匹パートなど巧みに構成され、
なんと200枚ほど収められていました。
技巧を凝らさず、家族としての目線で撮った自然体のカットばかり。
2匹が寄り添って眠っている写真はもうたまりません。
でも、ケンカしていたり、お姉さんの犬がいたずらに手を焼いていたりなど、
過剰な構成ではないところがとても好感もてます。
石黒さんの前作『GOOD DOG BOOK』も好きでしたが
この本では、情報など一切不要の読ませるテーマなのがさらにいいですね。
俳句もセンスあって驚きました。
石黒さんらしい、ほのぼのとした奇をてらわない透明感のある文章。
最終章の「ふつうを大事に」では、犬とか猫とかではなく、
ああ、人と比べないで暮らすことって幸せなんだなと、
不思議とじーんときました。
つらくなったらページをめくりたくなる、
心の湯たんぽのような本です。