著者は前作で、実父の死による帰郷とその忌引き休暇中に、ふるさとで父のし残した時効事件の真相に迫る、などというかなりの変化球を見せたのだが。。。。
今回は、ある意味非常にオーソドックスに、警察署を中心に連続少女誘拐殺人犯に関わる事件の予想外の展開を追う、謎解きとしても、サスペンスとしてもなかなかの手応えの作品となった。
初期の作品では、主人公鳴沢了の前には、必ず非常に身近で大事な人間の死があった。それがいつも読後の読者と多分その後の主人公の人生に重いものを残す、という感じがあった。
それが、前作から、ごく身近な愛すべき人、主人公の人生にとって重要なヒト、の死に主人公が深く関わることがなくって、ちょっとほっとしていた。女性がらみの悩みも、主人公は得意ではない分野だから!ちょっとお休みであったことも、事件に集中できてよかった。
その意味では、これは本シリーズの一つの区切り。一番の傑作だと思う。
さて、これからどうなるのか。
楽しみでもあり、怖くもあり。