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議論のルール (NHKブックス)
 
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議論のルール (NHKブックス) [単行本(ソフトカバー)]

福澤 一吉
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

相手の揚げ足をとったり、煙に巻いたり、言葉尻を捉えた局所的反応に終始したり。これが日本の議論の現実。「て言うか」や「じゃないですか」に象徴される議論の危うさを暴きだす。場の空気を読むセンスではなく、空気を言語化する環境をいかに作り出すのか。ガラパゴス化する日本の<議論>を立て直す方途を探る提言の書。

内容(「BOOK」データベースより)

相手の揚げ足をとったり、煙に巻いたり、言葉尻を捉えた局所的反応に終始したり…。こうした日本の議論の現状に、著者は警鐘を鳴らし、「て言うか」や「じゃないですか」に象徴される議論の危うさを暴き出す。場の空気を読むセンスではなく、空気を言語化する環境をいかに創り出すのか。ガラパゴス化する日本の“議論”を立て直す方途を探る、議論の達人による提言の書。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 216ページ
  • 出版社: 日本放送出版協会 (2010/5/26)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4140911573
  • ISBN-13: 978-4140911570
  • 発売日: 2010/5/26
  • 商品の寸法: 18.4 x 13 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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18 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
***
 本書は,日本の議論の実情を明らかにするため,NHKの番組「爆笑問題のニッポンの教養」における2つの議論(序論と第3章),2009年に行われた麻生太郎と鳩山由紀夫との党首討論(第1章),2005年に行われた小泉純一郎と前原誠司との党首討論(第2章)という4つの議論を取り上げています。そして著者は,これらの議論における質疑応答が,いずれも,うまくいっていない原因を追究し,そのことを通じて,これらの質疑応答を改善するための「20箇条の議論のルール」を提案しています。
 質疑応答のスキルとしての「議論のルール」を20箇条にまとめたのは,わが国で最初の試みであり,高く評価すべきであると思います。
***
 もっとも,「20箇条の議論のルール」は,上記の議論の検討の過程で考案されたものであり,20のルールの順序も恣意的で,構造化もなされていません。このため,これらのルールを実際の議論で使おうとしても,20ものルールを一度に理解することは,人間の頭脳の限界(7±2のマジカルナンバー)を超えており,現実的ではありません。
 そこで,これらの「議論の20箇条のルール」を構造化し,いつでも使える状態に整理することが求められることになります。そこで,例えば,「議論の流れ」(1. 事前の申し合わせ/2. 第1ラウンド/3. 争点の整理/4. 第2ラウンド以降の議論のコントロール)に従って整理すると,以下のように構造化することが可能であり,20のルールを自在に活用することができるようになると思われます。
 なお,( )内は,著者のルール番号であり,〔 〕内は,評釈者が補足したものです。
***
1.事前の申し合わせ
 A. 発言について〔発言の意味がわかるために:国語の問題〕
  〔 1〕 1つの文で1つの考えを表現する(ルール 9)
  〔 2〕 述語を完結させる(ルール15)
  〔 3〕 文と文との接続関係を意識する(ルール10)
  〔 4〕〔議事録をとるために〕書くように話す(ルール11)
 B. 質問について〔議論をかみ合わせるために〕
  〔 5〕 自分の質問は実態調査タイプか,仮説検証タイプかを知る(ルール20)
  〔 6〕 質問と主張とを同時にしない(ルール12)
  〔 7〕 相手が自分の質問に答えているかを確認する(ルール 2)
  〔 8〕 自分の質問への答えを自分でしっかりと評価する(ルール19)
2. 第1ラウンド
 A. 最初の発言の分析〔主張をトゥールミン図式で表現する〕
  〔 9〕 主張と根拠とをペアにする(ルール 1)
  〔10〕 議論において1度に提示する主張は1つに限る(ルール 7)
 B. 相手の発言の分析〔どの点に反論するのかを含めて,トゥールミン図式で表現する〕
  〔11〕 まず相手の発言に触れ,次にその発言について返答する(ルール13)
  〔12〕 自分の意見と相手の意見の関係を明示する(ルール 3)
3. 争点の整理
  〔13〕 議論の対立軸を見極める(ルール 6)
  〔14〕 議論の鳥瞰図をつかみ,局所反応をしない(ルール 5)
  〔15〕 議論の論点を絞り込む(ルール14)
  〔16〕 人によって使われ方が異なっている言葉は内容を事前にチェックする(ルール16)
4. 第2ラウンド以降の議論のコントロール
  〔17〕 議論に関係ないことは言わない(ルール 8)
  〔18〕 論点のシフトに注意する(ルール 4)
  〔19〕 話が論理的にリンクするところに注目する(ルール17)
  〔20〕 論理性が欠如した〔リンクが切れた〕話し合いを補修する(ルール18)
***
 著者は,本書『議論のルール』を出版する8年前に,トゥールミン・モデルを使った議論のルールの入門書『議論のレッスン』生活人新書(2002)を出版しています。そして,『議論のレッスン』から『議論のルール』へ至る著者の問題意識は,以下の通りです。
 「この10年ほど,さまざまな議論をその基本構造や,質疑応答のレベルという観点から観察してきました。しかし,国会議員,ジャーナリスト,大学教員などを例にとる限り,議論力が向上するような気配はありません。…日本社会における議論の行く末はこのままでは明るい見通しはありません。…このような現状を憂うなら,議論する能力を通して養成するしかありません。」
 この問題を解決するための方法が,上記の「爆笑問題vs.大学教員」,「党首討論」を例にとって議論のルールを形成するというものでした。
 しかし,それらの議論の例は,「不毛議論」(序章),「ルールなき議論」(第1章),「噛み合わない議論」(第2章),「解体」すべき議論(第3章)というように,いわば,良くない議論ばかりが選ばれています。8年前の著書『議論のレッスン』が希望に満ちたものであっただけに,本書の暗さは,際立っています。
***
 確かに,そのような悪い議論も,他山の石,または,反面教師として意味を有しています。しかし,日本人の議論する能力を向上させるためには,悪い例ばかりを取り上げるのではなく,良い見本,すなわち,暗記に耐えるほどの良い議論を選んで,それを解説するという作業こそが求められているのではないでしょうか。
 著者も,良い見本の重要性については,2008年のイタリアのヴェネチア国際大学での経験として,「教員も論証のスタイルを守って質疑応答するのです。これは学生にとっていい見本になっていました」(211頁)と述べています。そして,わが国のテレビが悪い見本を聴衆に提示し続けていることが若者の議論力・言語力へ悪い影響を与えていないかと懸念しています(131頁)。
 そうだとすれば,教育的な見地からは,悪い見本だけでなく,外国の例のように,良い見本こそが示されるべきでしょう。もしも,「残念なことに,日本では,質疑応答がうまくいっている議論を耳にすることはありません」(10頁),「日本ではまともな議論はめったに聞かない」(23頁),というのであれば,著者の知っている外国の例でも良いのであり,なんとしてでも,良い議論の例が見本として示されるべきだったと思われます。
***
 以上のような問題点があるために本書の評価は少し下がっていますが,本書で提案された「20箇条の議論のルール」は,私たちの共有財産ともいうべき貴重な提言です。
 本書で提案された20のルールを,各人の視点から構造化し,使いやすいものへと改良した上で活用するようにすれば,著者の見通しとは異なり,日本の議論も,明るい兆しが見えてくると思われます。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
国会の党首討論とは、すっきりせず分かりづらいものだと思っておりましたが、その原因は彼ら自身が議論下手であることが分かりました。議論の本筋と違う局所的な発言に反応したり、いつの間にか論点がズレていくことにより、彼ら自身に議論の軸が見えなくなり、チグハグな議論になっていたのですね。

国会での党首討論とTV番組「爆笑問題の日本の教養」における実際の議論をケーススタディにして、議論における問題点を丁寧に解説しています。論者たちの主張や根拠を整理した上で、良い議論のための具体的なルールが述べられています。

議論の構造や構成要因、議論における質疑応答のルールを知ることで、有益な議論の基礎が学べます。よい議論のための知識とは、日常的な会議や会話も含めて相手とのコミュニケーションがよりはかりやすくなることだと感じました。

国会中継や党首討論、朝まで生テレビ等にはつっこみどころが万歳、議論の見方が変わります!
このレビューは参考になりましたか?
形式:単行本(ソフトカバー)|Amazonが確認した購入
 親しい仲での気楽な、あるいは率直な意見交換ならいざ知らず、双方に多少なりとメンツがかかるような、あるいは多少なりと緊迫感のあるやり取りの際、こちらの意図が曲解されたり言葉尻等をとらえられて、不本意な展開に陥ることは多い。
 意思疎通の手段としての言葉の限界を知り、かつ表現の仕方に配慮するために、大変有用な本である。
 議論の例について冗長な分析が繰り返され、読み続けるには忍耐が必要だが、実例から学ぶことで理解にたどり着くため、やむを得ないと思う。是非、大勢の人に読んでほしい。
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