2年前、警視庁を去った名物刑事が、実名で書いた40年余りの刑事人生の数々の出来事の数々。
国際協力事業団の内偵、三越・岡田茂の逮捕、東海銀行(当時)巨額不正融資事件、赤坂警察署汚職事件、農林水産省汚職、外務省報償費流用事件等々、刑事自身が手がけた数々の事件が描かれており、その生身の迫力が読者の気を引かないわけがない。
しかも著者自身、序文で、出版の動機として「捜査技術を後輩に伝えたい」と記しているように、本書では捜査ノウハウもかなり公開されているのだから、これで面白くないはずがない。
具体的にはまったく述べられていないが、著者は岡田光序厚生省事務次官(当時)以来のデカイ贈収賄事件を捜査していたものの、それを上から潰されたことが途中退職する動機となったようだ。
これも、何やら似ており、警視庁版・田中森一といった感じさえする。