刑訴の入門書としては伊藤真先生や加藤晋介先生のものなどがありますが、全体をおお掴みにして述べられており手続の流れがいま一つ捉え切れませんでした。この本はそれらと、いわゆる司法試験受験者の読む基本書といわれるものの中間的な本(やや基本書よりか)だと思います。
これを難しい本だと思うようでは警察官にはなれません。
「警察実務家にとって必要なことが、漏らさずに記述されている」と「推薦のことば」に書いてありますから、これが最低限の知識だと発奮して読むべきでしょう。ただし著者も述べているように「公判手続は必要最小限にとどめる」ことになっています。
警察官はこんなふうに犯罪を教えられるのか、ということもわかり面白く読めます。“人権家”にとっては相反する気持ちが湧くかもしれませんが、そこがまた興味深いところです。一例として、「捜査の端緒とは、司法警察職員が・・・犯罪があると・・・嫌疑を抱く場合」「捜査の端緒には刑事訴訟法上の制限はない」などの記述が出てきますが、それはそうでしょうが、一般の基本書ではお目にかからない表現です。そのような観点で読みますととても興味深く読めます。「捜査の端緒」の分類法などは他書にないわかりやすいものでした(15ページ)。