警察はいうまでもなく役所である。そこには誤りや人事抗争がある。しかし、国の治安をあずかり、時にむき出しの
暴力装置になる警察のそれらは明らかに他の役所と違うだろう。本書はオウム事件という未曾有の事件に直面した警察庁、警視庁の
過失、不作為、組織の病弊を明らかにしている。
他の人が書いていたが、おそらく複数の新聞記者が書いたものだろう。極めて読みやすく、組織の人事、人脈から問題に迫る点は
いかにも新聞記者の筆致を思わせる(絵にならない人事などはテレビ記者はあまり追いかけない)。
ただし、あまりにも浮き出た第六章は文体も内容もひどすぎる。ここだけは、普段書いたものを人の目に触れさせることに慣れていない
人物による章だろう。そういう意味では出版社の編集に問題があったか? 大げさに言えば、第1章から5章までにかかる全時間と第6章だけに
かかる時間が同じぐらいだったといえば、分かりやすいだろう。
ただし、全体的におもしろいことは間違いない。書庫にとっておく一冊ではある。