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警官の血 下巻
 
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警官の血 下巻 [単行本]

佐々木 譲
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (17件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,680 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

過激派潜入の任務を果たした民雄は、念願の制服警官となる。勤務は、父と同じ谷中の天王寺駐在所。折にふれ、胸に浮かんでくる父の死の謎。迷宮入りになった二つの事件。遺されたのは、十冊の手帳と、錆びの浮いたホイッスル。真相を掴みかけた民雄に、銃口が向けられる…。殉職、二階級特進。そして、三代目警視庁警察官、和也もまた特命を受ける。疑惑の剛腕刑事加賀谷との緊迫した捜査、追込み、取引、裏切り、摘発。半世紀を経て、和也が辿りついた祖父と父の、死の真実とは―。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

佐々木 譲
1950年北海道生まれ。自動車メーカー勤務を経て、79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞。90年『エトロフ発緊急電』で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞をトリプル受賞する。歴史小説も手がけ、2002年『武揚伝』で新田次郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 381ページ
  • 出版社: 新潮社 (2007/9/26)
  • ISBN-10: 4104555061
  • ISBN-13: 978-4104555062
  • 発売日: 2007/9/26
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.6 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (17件のカスタマーレビュー)
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15 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 継承し続けた遺伝子の尊さ, 2008/2/4
By 
bias - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)    (トップ1000レビュアー)   
レビュー対象商品: 警官の血 下巻 (単行本)
週末、馴染みの店のマスターがしきりに賞賛するので、
上巻のみを借りた。
ところが、前夜の酒が残ったおそい土曜日の午前、
ふと読み始めたら、もう止まらない。
(未読の方は、必ず上下一緒に買われることをお薦めします)

終戦直後の東京下町から幕が開く、ある平凡な警察官親子の物語。
しかし、「平凡さ」とともに、時代の相貌を見事に織り込みながら
(ときに臭覚にも訴えつつ)展開される確固たる筆力は、
ほんとうに唖然とするくらい上手い。
もう、最初の10数頁でぐいぐい惹きつけられてしまった。
土曜深夜に上巻を読了する“危険性”を回避するため、
夕暮れ時に下巻を買いに行くことになったが、
寒気を凌ぐ、物語に籠められた熱さが体を貫いていく。

結局、土日全部と月曜の朝までほぼぶっ通しで、
2冊を読み切ってしまった。
上巻は、応召体験のある清二と、その子民雄が主人公。
民雄は昭和40年代の学生運動最盛期に成人する。
下巻は、民雄と、その子和也が主人公。
時代は昭和から平成へと移り、犯罪者の質的変化、
警察機構の軋みなどが、存分に盛り込まれてゆく。

もし、ミステリーとして評価されたのなら、それはそれでいい。
しかし、犯人捜しだけに限ったら、大抵の読者は途中で、
「誰か」に(或いは「なぜ」にも)気づくはず。
だからといって、この作品が二流な訳では、決してない。
むしろ自分は、この上下2冊を、戦後日本人が備えていた
「種」が、半世紀をかけてじりじりと変容し、
脆弱になりながらも、継承し続けた遺伝子の尊さ、
…その軌跡を描いた博物誌、として読んだ。
傑作。
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12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 繰り返される運命の先に…, 2008/2/20
By 
くわもちじんぺい (新潟県) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)    (トップ1000レビュアー)   
レビュー対象商品: 警官の血 下巻 (単行本)
 三代目は、たくましくなった。警察機構の隅々まで知りつくした、したたかなノンキャリアのエースとなった。しかも、彼を動かすものは私利私欲ではない。彼のスーツの胸には、祖父のホイッスルがさがる。市民の暮らしを守る警察官の誇りをもって、今も高らかにその吹鳴を響かせるのだ。
 謎解きもきちんとあるべきところに収まる。しかしこの小説の優れたところは、三代を経て到達した和也警部補の、本庁捜査二課主任としてのりりしい姿を描き出したところにある。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 “警官の血”を受け継ぐということ, 2010/1/4
レビュー対象商品: 警官の血 下巻 (単行本)
’07年、「このミステリーがすごい!」国内編第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第3位に輝いた、佐々木譲の親子三代に渡る大河警察小説。

戦後間もない東京であっさり警察官に採用された初代安城清二。彼はふたつの未解決事件、つまり昭和23年、上野公園の不忍池で殺された若い男娼の事件と、28年の谷中のまだ少年の国鉄職員殺人事件に何か共通するものを感じ、独自に調査をしていた。しかし、32年、自らが勤務する駐在所に隣接する天王寺の五重塔が炎上した夜、持ち場を離れて跨線橋から転落し、轢死した。

清二が謎の死をとげるまでの第一部から、その息子である民雄もまた警察官となるものの、公安部から北大の過激派グループへの潜入を命じられ、赤軍派による大菩薩峠事件にかかわった後、精神を病んで、父と同じ駐在所勤務となり、父の死の真相に肉薄しながら殉職する第二部、そして民雄の息子の和也もまた、安城家で三代目の警察官となる第三部へと続く。

それぞれの部では、一家三代それぞれの読み応え充分の独立した数々の事件・エピソードも語られるが、縦軸となるのは清二の死の謎と、彼が追いかけたふたつの未解決事件なのである。三代60年の歳月をかけて、和也が辿りついた祖父と父の死に隠されていた衝撃的な事情とは・・・。

本書は、初代の死をめぐる事件が作品を貫いているが、清二、民雄、和也が命じられた任務の遂行は、世相をたどった戦後史であり、時代ごとに変化を遂げていった警察史であり、世間を騒然とさせた重大事件をあつかう犯罪史であり、かつ安城一家三代の家族史である。

本書で私は、単にスケールの大きな大河小説にとどまらない「警官の血」を受け継ぐということの矜持と、リアルに描写されたその時代時代を生きた彼らの警察官人生に思いを馳せた。
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