前作,「警官の血」の後日談です。主人公の安城と彼が告発した加賀谷のその後の話から始まります。さらに,ちょっとですが元の恋人も登場します。覚醒剤を扱う新しい勢力を警察が追求することが主題です。従来の捜査方法や情報源が通用しないために捜査が遅遅として進まず,捜査の効率を上げるために警察組織をいじくり,かえって縦割りの組織の弊害が出て非効率な捜査が続く様子が描かれ続けます。
大変長い作品ですが,「終戦からの警察組織の成り立ち,そして現在に至るまでの壮大な流れおよびそこで生きてきた親子三代の警察官を描いた警官の血」と比べるとスケールが小さく,感動もあまりありません。話も警察組織の内部事情と地道な捜査状況の描写が延々と続き,テンポも悪いので話の中に引き込まれません。しかし,これは戦争から再起したダイナミックな日本と制度疲労から道を模索している現在を象徴した作品ともとらえることができると思います。