絵から、広重がどうしてその風景を書いたか、何を書きたかったか、を読み解く本。不安定で不況な時代背景、地震の復興など、絵の裏にドラマやジャーナリズムがあったことを教えてくれる。江戸百の中から45点について、1ページの大きさの図版と、1〜2ページ分の解説、それをある程度まとめて、広重の書き方や方針、読み解き方などの概略が書かれる。とても分かりやすいし、書きたい内容の焦点がぼけない。(浮世絵の知識や重箱の隅をつつく専門知識など、不要なひけらかしは一切ない。) 人文社の切り絵図と江戸百の本を持っていて、結構気に入っているが、この版画がそんな時代に作られ、そんな背景を持っているものだとは知らなかった。(人文社の解説は通り一辺倒の土地柄と構図の解説のみ。地震や黒船来港の当時、どんな状況だったかは全く触れられていない。) とても面白い本。