トンデモ古代文明論に真面目につっこむという内容だが、当然ながらオリジナルのトンデモを面白くなくするわけで、トンデモほど面白くない。
ノアの箱舟は非現実的建造物だと言われても、そりゃそうだ、となる。デニケン、ケーシーの説をまともに受け取るのはもともと少ないだろうから、この種の本がどのあたりを読者対象とするか、難しいところではあろう。
と学会ともども、最後は、宗教的ないし西欧中心的な、非科学的ないし不寛容な世界観を批判して終わる、という啓蒙主義も、続けて読むと紋切り型に思える。トンデモ古代文明論には、擬似医学ほどの実害もないと思われるので、啓蒙の利得も少ない。
古代文明の話となれば、学問的にも分かってないことが多い。その点で論述の歯切れが悪くなるのは仕方ないとしても、ネット取得の知識で書かれていることが多く、専門的な信頼性も不安。
トンデモを信じる人たちは、「活字」になったことをそのまま信じることが多い。その批判者たちにもしばしば同じ「信仰」を感じる。活字やネットの情報の裏を取る作業こそを期待したい。筆者たちは、もっと幅広く、世界の専門家たちに取材すれば厚みが出ただろう。
「チャーチワード=日本人説の謎」などが面白かった。