あたかも女衒か、胴元のようなイメージを植え付けられて
長年情報操作されてきた酒井氏
この一冊の丹念な証言と調査は、そのイメージを払拭して
むしろ劇的化学変化を起こさせたプロデューサーのような
人柄が浮かび上がっています。
生涯一絵師を貫きながら、酒井氏の耳にも届いていたであろう
悪評にも淡々と生きられた諦観は立派です。
何よりも資料も関係者も乏しい中を一冊の客観資料に
まとめられた筆者には敬服します。
追記ながら、この本で述べられた考察以外に
「戦後漫画のトップランナー:横井福次郎」で横井氏と手塚氏が
出会う箇所で新宝島を”子供だまし”と打ちのめされた手塚氏が
東京のスタンダードに目覚める部分や上京してから手塚氏の
扱われ方は「手塚治虫とぼく(うしおそうじ)」に詳細に書かれています