ときは18世紀半ば、オーストリア女王の密命を受けた官僚が一つの機械を完成させた。その名はターク、チェス対戦の出来るからくり人形である。容貌はオリエンタルだが腕前は折り紙付きで、それなりの戦績を挙げ続けた。発明者がお蔵入りさせた後も欲しがるものは後を絶たず、数多の興行師の手に渡り欧米各地で演目がなされた。史上の有名人たちとの邂逅を果たした数奇な運命が綴られるーーその内部がどうなっているのかに関して時折論争を産みながら。
有人かはたまた無人か、21世紀に生きる我々にとってはその解答自体は自明かもしれない。ただ、何が機械にできて何ができなさそうかの理解が、時代を経るにつれて変化してきていることは面白く思えるだろう。チェスの世界王者を打ち負かすほどに演算能力は増すけど、2足歩行はやっと到達できたくらい・・・こう予測できた当時の人は恐らく居ないだろう。かのアラン・チューリングが望んだほどには、機械は人と区別がつかなくなるほどの進歩はできていない。
人と機械との関わりに興味があらばイチオシ!