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謎としての“現代”―情報社会時代の哲学入門
 
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謎としての“現代”―情報社会時代の哲学入門 [単行本]

大黒 岳彦
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 単行本: 371ページ
  • 出版社: 春秋社 (2007/08)
  • ISBN-10: 4393332725
  • ISBN-13: 978-4393332726
  • 発売日: 2007/08
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 倒錯委員長 トップ500レビュアー
形式:単行本
筆者は「シラバス風のまえがき」において次のように表明する。
「本講義は(本書は―引用者)、情報社会時代の思想的な屋台骨をなしているポストモダニズムといかに闘い、それをいかに超えるか、という明確な実践的目的をもった哲学入門」であると。ほぉ、と思ってしまったが、読み終えてみてポストモダンをいかに超えるか、その実践的処方箋をこの本が提示したかというと、それはいい難い。

そもそもこの本、ポストモダンという思想的時代区分について触れるのは、最終講「『社会はリアリティーを失った』のか?」になってようやくである。それまでの講はどれも実践的で、もっとアクチュアルな問題系をこれまで哲学者がいかに考えてきたかを筆者なりに整理してくれていて、こちらのほうがためになるかもしれない。
肝心のポストモダンについては、あんまりやっていない。「ポスト・ポストモダニズムの問題こそが、哲学がいま取り組むべき課題」(305p)というが、そもそも「歴史の終わり」「終わりの始まり」と称されるポストモダンにおいて、それを超えるとか、新しい何かを創出する処方箋を出すことに、思想的な意味が本当にあるのだろうか。

ポストモダンの時代の哲学とは、「はい、もう終わり」と宣告された後に、それでもなおいかに生きるか、それを考えることではないだろうか。そこにこそ、ポストモダンにおいて哲学がこれまでにないほどの純度の高い思想を生み出す可能性があるのではないだろうか。
例えるならばそれは、末期がんの告知を受けた患者がする、いかに余生をつむぐか、いかに人生を終わらすか、という煩悶に似ている。予め期限が決められた生をいかに全うするか。そこで煎じ詰められる思想こそがすばらしいのであって、そこに「生き返る」という「元気な」選択肢はないのである。

また、筆者が書く以前からポストモダンに居直る人(筆者が批判する人)も、筆者のようにポストモダンを批判する人もいた。両者の意見は異なっているが、ポストモダンの存在を認めている点では、そしてポストモダンを語ることで飯を食っている点では、同じ穴の狢ではないだろうか。

本のタイトル『謎として“現代”』からして、この本は幾分かの「謎」を孕んでおり、本の企画としては判然としないところがあるが、第一講がケルゼンの法実証主義から始まるなど、なかなか変わっているので哲学入門書としてはアリかと思う。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By モワノンプリュ VINE™ メンバー
形式:単行本
 哲学にも娯楽的要素は必要と考える著者は(p220)、私的話題満載で大サービス。巻末プロフィール以外に本文から拾えば、著者は61年生まれの日本人男性で身長175cm。廣松渉に師事。離婚歴あり(p112)。大の猫好きでチョロンと名づけたアメショーを飼う(p231)。血液型性格判断は軽蔑してるが、酒席では「僕はO型だから大雑把でおおらかなんだヨー」と場の空気に追従するタイプ(p353)。
 子供の頃、TVでヒーロー物大流行(p67)。映画『妖女ゴーゴン』を観て怖くて一人でトイレに行けなくなった経験アリ(p136)。中学では「総括だ!」が流行語に(p293)。『森のデル単』『赤尾の豆単』(p248)で大学に合格し、中国研究会と『資本論』読書会に参加(パルタイではない)(p303)。1年次に折原浩ゼミで『プロ倫』を読んだのが初の学問体験(p309)。納富信留が立ち上げた研究会主催の講演会で廣松を初めて見た(p304)。院時代に大森荘蔵の酒に絡む武勇伝を見聞し、スケールの大きな哲学者だと感動した(p93)。恋煩いの経験の有無は秘密だが(p138)、彼女をホラー映画や恋愛映画に誘い肩を抱いたりした経験はある(p275)。30歳目前、NHK入社(p75)。食生活上の不摂生で尿管結石になり、入院も経験した(p247)。
 最近、歳のせいかキルケゴールの気持ちが分かる(p101)。涙腺も緩くなり、アーサー・ペン監督の『奇跡の人』の粗筋を話すだけで涙が滲むし(p226)、 野村芳太郎監督の『砂の器』はスゴイと思う(p224)。歌手を「アーチスト」と呼ぶのは嫌い(p289)。岡林信康ばりに戦争や自然破壊反対を本気で歌うのは気持ち悪い(p294)。
 …というようなドーでもいい話題やギャグを豊富に盛り込んだ語り口は、濃厚にポスモだ。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By kogonil VINE™ メンバー
形式:単行本
「法」に関連して、ケルゼンとハートの関係がおもしろかったです。

一読して、著者は、どっぷりルーマンというのではなく、ルーマンを踏まえた
その先を模索するという方向性が強いのかなとの印象です。
で、前著の『メディアの哲学』の末尾にもチロっと書いていた「身体性」ですが。
それはどこまでも区別に基づく私たちにとっての逃れられない「意味」でしか
なくって、いかに「身体性」とか言い立てても、それが公刊されるという社会的な
言説に乗っかった途端に、システムに回収されちゃうんじゃないでしょうか?。
ちゃんと機能的に分化したものじゃなくても、相互対面的な意味の流通の範囲で
あっても。

だから、それはルーマンを超えたことにはならないんじゃないかしら、
と思ったのでした。
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