自衛隊に所属しながらも、軍人というよりは学者のように見える新戦略専門家(ネオストラテジスト)。全てのことを徹底的に分析し、最良の方法を見つけ出す専門家たちに、突然レーダーから消えた、トップシークレットに属する最先端の技術を結集した対潜哨戒機を探索するという密命が下る。新戦略専門家チームのリーダー宗像一佐はソビエトの謀略も考え緊張するが、そこに彼らを心良く思わない自衛隊隊員の暗躍、さらには北海道でおきたヤクザの組長狙撃に端を発する日本全国のヤクザの抗争も複雑に絡み合ってきて・・・。息をつぐ間もないという言葉がぴったりのアクション小説です。
時には人間の命さえもチェスの駒のように扱う新戦略専門家のリーダー宗像、その冷静さと優秀さを強調するためかことさら非情に冷徹に書かれているため、時には不快感も覚えますが、宗像と、彼に対抗する新戦略専門家くずれの男 藤野、先を読んで事に対処しようとする二人の頭脳戦にはとても興奮させられました。
山田正紀の描く、エンターテインメントに徹したおもしろ小説。おすすめの一作です。