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一見するとまったく関係ないこれらのテストに共通点を見いだした著者の視点は非常におもしろい。
小学校入試と東大入試の共通性や、ペーパーテストで測られている能力を図式化した「能力の系統樹」など、言われてみるとなるほどと思うことが多い。
具体例として、実際に出題された問題がいくつか載っているので、説得力も十分である。
もちろん、真に筆者の主張を裏付けるためには、掲載されているデータは少ないと言わざるを得ない(筆者の主張に合う問題だけを選んでいる可能性も十分ある)。しかし、一般書である以上、それほど厳密になりすぎる必要もないし、読みやすさを考慮すると適量であろう。
ただ、具体的にどのようにすれば力を鍛えられるかということに関しては、あまり述べられていないところが残念である。
幼年期の教育に関しては参考になるものの、既に大学を卒業したような人が自分の能力を伸ばす方法についてはほとんど述べられていない。
本書に書かれていることは社会で必要とされる能力を示したフレームワークとして活用できるが、具体的に能力を伸ばす方法は他の書物に頼らざるを得ないだろう。
内容的にも、小学校の入試から司法試験までまさにピンキリのジャンルの試験を同じ視点から見ている。細かいところは別にして、論理思考の要素の分け方もわかりやすい(何でもかんでも推理能力にしてしまうところは違和感があるが)。
ただ、二点ほど難点が。一点はどうしても例として出した試験問題の解法についての記述が多く、本書で本来伝えたいメッセージが見えなくなってしまっている点。対策本を書き慣れた弊害か?
もう一点難点として、問題の選び方が作為的な印象を受ける。「東大の問題の中には小学生でも解けるものがある」「SPIより公務員試験の方が難しい」と読めてしまう例の出し方は大いに違和感を感じる。最後の医学部の話もこじつけっぽい(ここは筆者の思い入れだと判断し、文句を言うつもりはないが)。
以上難点も書いたが、こうした「勇気ある」取り組みに星五つ。
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