結論からいうと、本書は「論理的誤謬の事典」に近いと思う。そして各項目も解説が明快で判りやすい。一方で、タイトルから想像されるような「論理学とはなんたるか」は全然判らないところが切ない。むしろ論理学を学んだ人はなぜ論理学なのか判るのかもしれないが、論理学って何?という人が読んでも、何が論理学か判らないと思う。(たとえば論理学の分野や歴史を羅列したり紹介したりはしない。)
したがって、本書のキモは、通常の議論で目撃される類の、ありがちで詭弁的な論理的誤謬や、それが「いかにして誤っているのか」を判りやすく解説してくれることにあるだろう。基本的な詭弁論理は殆ど押さえているように思う。
というわけで、認知心理学の方面からの錯誤や誤信についての知見と、本書をあわせて吸収すれば、まさに論理的護身術になるだろう。何気に名著です!