全体は、論理思考がもたらす仕事の効果や、論理思考を支える手法などを論じた理論編と、ビジネスパーソンが演習課題を実際に解き、それを著者が講評する実践編の2部で構成されている。理論編では、「帰納法」「演繹法」「MECE(モレなくダブリなく)」「ピラミッドストラクチャ」の4つの「思考のツール」と、それを使いこなすための「So What?(それって何?)」「True?(ホント?)」などが紹介されている。従来の論理学の概念にコンサルタントの手法を組み合わせている点がユニークで、またツールばかりを強調せず、普段使う疑問詞の役割を重視しているところには好感がもてる。
実践編の課題は、「確実に言えることを判断する」「会話をしながらイシューを押さえる」などの5テーマ計18問。選択肢問題と論述形式の組み合わせで、1つの課題がじっくりと解き明かされている。会議や会話でテーマや前提の把握が大切なのは言うまでもないが、それを「イシュー」という巧みな表現で照らし出すなど、新しい視点を与えてくれるのが注目である。
受講生たちの解答は多種多彩で、そこから自分の論理の偏りや欠点を見つけることができるのは、講評形式の効果であろう。欲を言えば、練習問題をもっとたくさん載せてほしかった。(棚上 勉)
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読者は、真新しい答えを望んでいるのではなく、まっとうな回答を導く手段を知りたいのである。それが真実をつかむためのロジックというものだと思う。この本だけではなく、他のロジカルシンキング本も読みながら、ロジックを勉強していくことが必要です。この本だけだと、ちょっと問題があるかも。
本屋でも、ロジカルシンキング、クリティカルシンキング本が、大流行りであり、ビジネス書のコーナーでは、多くの本が平積みになっている。
私自身、この手の本で有名と言われる本は、ほとんど読んだが、「読んで理解できる」と、「実際に論理的思考ができる」ということは全く別である。読んで理解できて、論理的思考ができるようになったと自分では思っても、実際は身についていないことも多いと思う。
この本のいいところは、読んで理解するのではなく、実際に自分で考えることができるような構成になっている点である。課題を1題やってみて、解説を読んで、その考え方を理解したつもりになって、別の課題をやってみると、どうも理解していなかったことに気付く。それを繰り返して行くうちに、論理的思考が身についていく実感を得ることができるのである。
コンパクトな本だが、読み終えるには骨が折れる。しかし、その分、得られるものもあることは間違いない良書である。
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