今回は練習問題のすべてに解答がつけられ、取り組みやすいよう体裁も整えられている。論理を構成する各概念の解説もとっつきやすい表現に直されていて、前作にあった教科書風の素っ気ない印象が薄まっている。
全体は、「議論を読む」と「論証する」に大別されている。前者では接続表現や議論の骨格について、後者では論証構造や演繹・推測、論証の批判について取り上げている。
本書で身につく論理の力にはさまざまな効用がある。たとえば、論証の段で強調している「異論」(相手の主張と対立するような主張を立論すること)と「批判」(相手の立論の論証部に対して反論すること、対立ではない)の使い分け。ここで双方の言葉の概念を正確にとらえ、練習問題によって使い分けが可能になれば、討論のときなどにきわめて有用だ。本書はこうした論理の奥深い世界に読者を案内してくれる。
教科書として作られた本書に、個人で取り組む人が多いというのもうなずける。ひとり本書に向かって言葉と格闘し、煩悶(はんもん)し、その筋道をたどる作業が論理の力を鍛えてくれるはずだからだ。「頭の回転が速い」とか「知性的」というのは、こうした地道なトレーニングの積み重ねに負うところが大きいのだろう。通勤、通学時の1冊としてもおすすめである。(棚上 勉)
登録情報
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本書はよくあるロジカルシンキングのテキストとは全く
ことなるアプローチである。「論理は接続表現に示される」
ということで文と文の接続関係を101題の演習問題をもって
徹底的にマスターしようというモノ。
ノートを作り、2週間かけてじっくり取り組んだ。
報告、レポートなど文章を書く機会が非常に多いが、明らかに
この本で得た成果が出ていると自覚できる。
ロジカルシンキング本より、取り組みやすく、即効性があり、
日本人向けのアプローチである。
内容自体については、目からうろこという人もいれば、ありきたりで満足できない人もいるだろう。
この本の真髄は、著者自身「お百度参り」と言うように、101の文章をよく考えて根気よく選んだ点だ。
なんとなく拾った例文ではない。また、必要に迫られて無理やり引っこ抜いたというのでもない。
全編にわたって、それぞれの原典(原文)の核となるような箇所が抜粋されている。
だから、飽きない内容になっているのだろう。
確かに、最後までお百度参り(読破)できれば、論理の力がつくかも!
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