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「論理」とは言葉が相互にもっている関連性であり、「論理的になる」とはその関連性に敏感になり、言葉を大きなまとまりで見通す力を身につけることにほかならない――。著者はまずこのように定義する。さらに、「論理的になる」には場数を踏むこと、つまりトレーニングしか道がないと説く。
本書はこの視点から作られた、新しい形の教科書である。柱になる練習問題は、高校の現代文で学ぶ短文や、「死刑制度は廃止すべきか」などよく話題にのぼる争点が材料になっていて、難解なものもあるが親しみやすい内容になっている。
構成は、まず「順接」「逆説」「議論の構造」といった基本概念の解説があり、例題や練習問題が後に続いている。ここから、議論の流れをつかむ、論証の構造をとらえる、討論や論文を作るといった能力を身につけていくしくみだ。
ただ、このトレーニングは生半可なものではない。本書には、「論理」という一線を踏み外すことを許さない厳格さがある。これまでいかに無自覚に言葉を連ね、またそれを聞き流していたかを痛烈に感じる。さらに、論文演習(例題は「自然保護について論じよ」)では、「非論理的」な文章を批評する著者の筆が鋭くなり圧倒される。(棚上 勉)
メタローグ
巷に氾濫する、学問の上っ面を撫ぜるだけの安易な<知の入門書>とは対極にあるこの本、真に知的になるためには基礎からの地道な積み上げしかないことを教えてくれる。それほど本書の中身は、論理を会得するためのステップを一歩ずつ丹念に(そして愛想なく)書き記したテキストに過ぎない。だからこそ第一章の"順接"から終章の"論文を書く"までを着実に読みこなし、練習問題で力を付ければ、高度な論理能力が修得できるのもまた間違いないのだ。レポートで悩む学生から議論の能力を上げたい社会人まで、万人に薦められるこれぞ本物の知の鍛練書。(守屋淳)
『ことし読む本いち押しガイド1999』 Copyright メタローグ. All rights reserved.
『ことし読む本いち押しガイド1999』 Copyright メタローグ. All rights reserved.
内容(「BOOK」データベースより)
本書の全体は四つの部分に分かれ、第1部では、ある程度のまとまりの議論を、とくに接続関係と指示関係に注意しながら分析するトレーニングを行なう。第2部では、議論の構造の中でとくに論証に関わる話題を取り上げる。第3部では、さまざまな論証のタイプの中で、もっとも厳格な、演繹を扱う。第4部では、もう一度視点を議論全体へと向け、実際の討論や論文において必要とされる技術を検討する。大人数の講義向けの教科書何ごとかを解説した本ではなく、トレーニング用の教本である。