本書は平易な文章で書かれ、他の論理本によくある、
数学的思考力を必要とする箇所も少ないので、入門に適していると思います。
また、訳者あとがきに、「本書の著者は、本書の著者だという以外にこれといって特筆すべき人物ではない。
また、本書に書かれた内容も、著者の独創はまったくないと言っていい。本書の特徴は、網羅性が高いことだ。」
とあるように、どこかで見たような例文もありますが、155項の詭弁が紹介されており、
この本を読み進める途中、何度も「あぁ、こういう人いるなぁ」と考えさせられました。(自分も含めて)
特に気になったのは、ポイズンウェル(井戸に毒を盛る)とストローマン(わら人形)と呼ばれる方法です。
ポイズンウェルの例を挙げると
A「私は善人だ」
B「悪人は常に自分は善人だと言う」
このようにAに反論の余地を与えない方法です。
もしAが黙っていれば「黙契の虚偽」―黙っているということは認めることとなり、逆に自分が善人だと主張すれば相手の思う壺…。
ストローマンはウィキペディアに記載されているので省略します。
類書では、野崎 昭弘『詭弁論理学』も良書だと思います。
特に、『論理で人をだます法』では触れられていない(はず)、詭弁ですらなく、
自分の主張を繰り返すだけの「強弁」を扱っている点が評価できます。(著者は小児型強弁と呼んでいる)
「詭弁論理学 小児型強弁」で検索すれば、詳しく紹介しているサイトが見つかると思います。