たとえ大学入試の小論文であったとしても、何かを「論じる」文章であるという点において、学術論文などとの違いはない。そもそも、小論文を出題して採点する教授陣は、小論文などという大学入試特有の分野などという発想は持ち合わせてはいないだろう。
何かを「論じる」ということは、論じる対象に関してYes/Noで割り切ることではない。それよりは、論じるべき「問い」を取り出し、それに対して適切にこたえることである。本書は、その仕方に関して、徹底的に無駄をそぎ落とし、構造的に示してくれている。そういう意味では、小論文の参考書としてのみならず、通常の論文のための参考書としても通用するといえる。
大学入試小論文の場合、「問い」の取り出し方がそもそも出題者によって限定されており、そこで勝負が決まるケースが多い。そもそも、そういう仕方でなければ、論文を客観的に採点可能な形には出来ないでしょう。それにはそれで、本書に書かれていることとは別種の技術が必要になるかも知れません。とはいえ、それとて、そもそも「問い」とはいかなるものかを理解しておくことが、その技術を有効にするための前提になりうるのです。
そういう意味で、本書は非常に良くできた本だといえます。
「論文頻出テーマ」などを学ぶ以前に、是非一読して頂きたく思います!