登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
議論に振り回されないために,
By
レビュー対象商品: 論争 格差社会 (文春新書) (新書)
本書では、論者それぞれの立場から、格差社会論議の主要な論点や論者独特の個性的な見方が無機的に提示されている。いわゆる論争集ではない。 このうち、渡部・日下両氏による対談「二極化社会も悪くない」は そもそも論議が何ゆえ問題視されているのか、また中流・下流の何が 「悪くない」のかまるで理解しておらず、上流の顕彰という一点以外 部分的に矛盾さえある放談に過ぎず、目的論としてはともかく 格差社会の議論としては読むに値しない。 一方、若田部・本田・稲葉三氏による鼎談は、昨今の格差社会論と 共軛的なNEETというコトバの瀰漫とその実態数のカラクリを指弾している。 仮に、格差社会と認めるとしても、その政策はおろか方向性さえ 一筋縄ではいかないこの命題の難解さも読み取れ、本書の要諦と言えるだろう。 また、「『不平等』や『格差』を語ることはつねに酸っぱくて苦い。 なぜなら、それは人間を測ることだからである」「測るというのは そういう汚れ仕事だ」という佐藤俊樹のこの痛ましい「感覚」の指摘は重要だ。 いみじくも前書きで述べられているように、格差社会論議の特徴とは 近代社会を生きるもの全てに「他人事ではない」現実を突きつけることにある。 とはいえ、結局は、自身の問題であるその現実をどのように判断し解釈するかだ。 本書はその一助となるはずである。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
日垣氏に共感,
By
レビュー対象商品: 論争 格差社会 (文春新書) (新書)
格差社会について多くの意見が記されているため、格差について考える一助になるのは確かであるものの、若干首を傾げてしまう内容も少なくなかった。ただ、その中で光っていたのは最後に登場する日垣氏の章であった。そもそも格差の存在を云々議論する「勝ち組」を懐疑的にみている点が気に入った。冷静な人物である。 全体的に(個人的に意見は異なるが…)内容は悪くないので、日垣氏のページ以外でも一読の価値は充分ある新書には違いない。
20 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
格差問題の文春流落し所を知る,
By
レビュー対象商品: 論争 格差社会 (文春新書) (新書)
格差論争が富の再配分をめぐるものである限り、本書の「はじめに」で断るまでもなく「バイアス」なくしてありえない論争である。そもそも「バイアス」という言葉がなじまないほどに格差論争は再配分をめぐるものだと言っていいかも知れない。本書では論文、対談、鼎談、エッセイ、エッセイともつかない感想文、爺の与太話と様々な形で格差容認から批判まで悪く言えば雑多な、良く言えば幅の広い意見が収録されているように見える。「ように見える」と留保するのは、例えば「格差は本当にあるのか」と題された第一部にしてから論文・エッセイ3本が3本とも概ね格差の存在否定乃至は格差容認論となっていることでも、本書の構成自体にまさにバイアスがかかっていることが伺えるからである。「(格差論争の)全体像がこの1冊で明らかになる」という売り文句は少し看板に偽りアリの感がする。ただしそのバイアスのおかげで本書は格差容認派が世論をどのあたりに誘導しようとしているかを知る上で非常に示唆に富んでいるといえるかもしれない。中でも注目すべきは渡部昇一と日下公人の対談(放談?)である。この中で彼らは戦前の上流階級の具体例を持ち出してはその存在を称揚し、同時に下流もまた原日本的な上流と親和性のある階層として「風流」等という言葉を使い持ち上げているように見える。(対談が掲載された雑誌Voiceの読者層を想起せよ。)これこそ本書の中でも斎藤環や二神能基が触れ(かけ)ている構造=中流にはオルグされないが上流(支配層)には靡く下流の構図ではないか。 格差を問題視しているのはぎりぎり中流に踏みとどまっている層であって下流ではない。自分が下流に落とされることを恐れる中流と、中流からの哀れみの視線に傷つく下流との争いに転化しつつある展開において漁夫の利を得る者が誰かということなど明白なことなのに、と思う。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー
5つ星のうち 3.0
他の方がレビューしている通り、金持ち爺さんの放談には閉口
リベラルと保守の「格差社会観」がよくわかる1冊。... 続きを読む
投稿日: 13か月前 投稿者: walk alone
|
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|