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論争する宇宙 ―「アインシュタイン最大の失敗」が甦る (集英社新書)
 
 

論争する宇宙 ―「アインシュタイン最大の失敗」が甦る (集英社新書) [新書]

吉井 譲
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

宇宙に満ちる「ダーク・エネルギー」とは?
数多くの天才たちが、激しく論争しながら創り上げてきた宇宙像。途方もないスケールの宇宙の果て、始まり、終わりを観測するとはどういうことか。銀河物理学者の案内でめぐる、宇宙論の最先端。

内容(「BOOK」データベースより)

アインシュタインだけではなく、数多くの天才たちが独創し、迷い、激しく論争しながら創り上げてきた「宇宙」の像。その途方もないスケールと気の遠くなる時間の中で、宇宙の果て、始まり、終わりを観測するとは、いったいどういうことだろう。そして、他ならぬアインシュタイン自身が「生涯最大の失敗」として否定した「宇宙定数」は、どうして甦ったか。自分たちの研究専用に自力で「すばる」に次ぐ日本第二の望遠鏡を作ってしまった銀河物理学者の案内でめぐる。好奇心満開、宇宙論の最先端。

登録情報

  • 新書: 224ページ
  • 出版社: 集英社 (2006/1/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087203271
  • ISBN-13: 978-4087203271
  • 発売日: 2006/1/17
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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16 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 宇宙の新説以上に、研究者の情熱に感動, 2006/1/31
By 
ビブリオン (東京都練馬区) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)    (トップ1000レビュアー)   
レビュー対象商品: 論争する宇宙 ―「アインシュタイン最大の失敗」が甦る (集英社新書) (新書)
 学界では宇宙を今どう見ているのか。宇宙論で何が問題となってきたのか。それらが何処まで解決され、残された課題は? 本書の前半は、これらをやさしく教えてくれる学説史です。ここには又、人間臭い話、初出論文の引用問題とか、ノーベル賞の運不運などもあり、面白く読めます。

 理論では、アインシュタインから始まった宇宙の運命考察。紆余曲折していた彼の宇宙定数が、現代の観察から宇宙には重力以外に判らない力、宇宙定数が働いているのでないかと復活したという話。  

 観測では、ハッブルが見つけた宇宙の膨張。遠い銀河の後退速度は、距離に比例するという彼の理論。しかし、常に宇宙論では、距離測定が問題であったこと。距離を確定するための様々な方法。三角視差・スペクトルを分析した測定・遠ざかる光源が赤色偏倚することを利用した測定法。探査衛星を使った精密な測定。宇宙の果てにあるクエーサーのダストの融解温度を使う方法など、ここも判りやすく書かれています。

 後半では、宇宙の空を夢みがちに見ていた眼が、突如うるさい現世に引き戻されます。研究のために、同一のクエーサーを常時観測できる望遠鏡を外国に置きたい。この著者の思いが発端で全てです。今迄の天文観測では、継続して大型望遠鏡を使うことは出来ず、定点観測は、なかったそうです。これを補う意味で、ハワイに可視と赤外の両方が見れる口径2mの望遠鏡を設置、東京から自動制御して定点観測する計画を立てます。

 著者は購入費として文科省の助成金をあてにします。その後に続く一連の苦労話は、ぜひ直に読んで下さい。理論専門の天文学者が、俗世の諸障害に負けずに、研究の進歩の為に全力投球して前進してきたのに心が打たれます。広大な宇宙の話よりも、か弱い人間が知への情熱に燃えた時の凄い強さに感動しました。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 アインシュタインの失敗が蘇る, 2007/1/7
By 
紫陽花 "玲瓏" (神奈川県相模原市) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 論争する宇宙 ―「アインシュタイン最大の失敗」が甦る (集英社新書) (新書)
著者は銀河物理学者で現在マグナムという望遠鏡を用いた国家プロジェクトに参加している。本書では20世紀における宇宙研究の歩み、最先端の宇宙論を平易に語ってくれる。研究者達の苦闘は人間ドラマでもある。

自らの相対性理論から予見できた筈の宇宙膨張論を、信条に反するとして「宇宙定数」という概念(未知の力)を生み出したアインシュタイン。しかし観測データから膨張の事実を認めざるを得ず、「宇宙定数」を「生涯最大の失敗」と悔いたアインシュタイン。そしてハッブルによって、宇宙の膨張率を示す「ハッブル定数」の最初の値が出される。ハッブル定数の大小によって宇宙の年齢が決まるのだ。だが、最初に出されたハッブル定数の値では、最古の銀河より宇宙の年齢の方が若いという矛盾が出てしまう。そこから延々と続くハッブル定数を求めるための研究者達の苦闘と論争。一方、膨張を遡れば過去のある一点では宇宙は空だった事になる。これがビッグバン理論に繋がるが、これだけだと宇宙の「平坦性問題」、「地平線問題」を説明できない。これがインフレーション理論を産む。一方、ハッブル定数問題の最終結論がほぼ出た段階で、「宇宙定数」が復活(!)する。未知の力が存在するのだ。まさにドラマである。

星(銀河)までの距離ってどうやって測るの、という素朴な疑問に対しても、基本となる三角視差から分光法、ドップラー効果を用いた赤方偏移法、近い星の距離をベースにより遠い星の距離を測る「距離の梯子」、変光星を用いる方法等、丁寧に解説してくれる。人知に驚くと共に星、宇宙の魅力、そしてまだまだ多く残された謎を感じさせてくれる。宇宙のロマンと謎、そこに隠された人間ドラマを味あわせてくれる良書。
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5つ星のうち 5.0 宇宙論の論争の歴史と、最先端の課題, 2012/2/2
レビュー対象商品: 論争する宇宙 ―「アインシュタイン最大の失敗」が甦る (集英社新書) (新書)
『論争する宇宙』(吉井譲著、集英社新書)は、アインシュタインやそのライバルたち、後継者たちによる宇宙論の論争の歴史と、宇宙論の最先端の課題が手際よく紹介されている。

1929年にエドウィン・ハッブルが「宇宙は猛烈な勢いで膨張している」ことを発見した時、アインシュタインは衝撃を受ける。アインシュタインは、この宇宙を、膨張も収縮もせず、どちらを向いても同じような、凪いだ海のように静かなものと考えていたからである。

ジョージ・ガモフが、一般相対性理論と熱力学の方程式を解き、1948年に「ビッグバン理論」を発表する。140億年前に起こった、超高温で高密度に凝集した火の玉状態の物質の大爆発(ビッグバン)によって、宇宙が誕生したという考えだ。ガモフが、当時知られていなかった宇宙マイクロ波背景放射(宇宙全体を一様に満たしている非常に低温の電波)の存在を予言し、それが1965年の観測で発見され、ビッグバンの証拠が得られたことによって、ビッグバン理論は宇宙論の標準理論となったのである。

1980年に佐藤勝彦とアラン・グースが「インフレーション理論」を発表する。「宇宙の誕生→誕生から10-44秒(1秒より遥かに短い時間)後にインフレーション→誕生から10-33秒後(この時点の宇宙の大きさは直径・約1cm)にビッグバン→137(140)億年経過→現在」という考えである。すなわち、宇宙誕生の1千億分の1秒後には宇宙が極微の状態から何億光年という大きさまで急激に膨張したというのである。
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