クレジオは、本書の冒頭に「自分の書く小説の主人公が死んだりしたら、
悪口雑言に充ちた無署名の手紙が(作者である)自分を襲うような小説が書きたい」と綴る。
2008年、ノーベル文学賞を受賞した。J,M,G,ル,クレジオ23歳のデビュー作がこの『調書』である。
軍隊から脱走したのか、精神病院から逃げたのか、自分でも分からないアダム・ポロ。
人類最初の男の名をもつ不思議なアダムが、激しく照りつける太陽のもと、牝ライオン、犬、白ねずみ、
さまざまなものと同一化しながら、物語る。ってなんのこっちゃ。
言葉で意味やストーリーを読み取るという訓練を日本の国語教育で開けた私は、この文章が
なんのことだが読み取れない。言葉を使って書かれているのに、言葉の意味が邪魔をするという、
不思議な体験をしたい方はぜご一読を。