コレスポンデンス分析について、例えば「商品ブランド」と「イメージ」を同一平面上にプロットし解釈するのは手法の扱いとして明らかに間違っているにもかかわらず、その間違いに気づいていない箇所が散見(11p.29p,132p等)されます。これだけ繰り返し間違った記述が現れるということは、複数著者のうちの一人が手法の扱いを間違えているわけではなく、手法の誤用を組織内で(誤用と気づかず)共有してしまっているのではないか、とも懸念されます。
大手の市場調査会社の部長・マネージャーが著者に名を連ねる書籍のなかで、このような誤解があるということ自体に不安を感じる一方、大手の調査会社のレポートであっても疑ってかかったほうが良いという意味で反面教師的な参考にもなりました。
(コレスポンデンス分析の表頭項目と表側項目を同一平面に付置して解釈するのは間違い、というのは多くの書籍に記されていますが、どのように間違っているのかについては「最新 マーケティング・サイエンスの基礎」朝野煕彦著、33〜39pに詳しいです)
他の箇所に関しても、コンジョイント調査の属性の選択には「相互補償的」であることが必要、と書いてあるのも甚だ疑問です。相互補償的であるか否かは回答者の価値観に依存し、補償的か否かを確認できることがコンジョイント調査のメリットです。調査設計の際には属性が相互に独立であることに留意すれば十分でしょう。
このように手法に対する理解不足が多い、困った書籍です。