本書の秀逸さは、
装備や武器・兵器をゼロから作る「国内の防衛産業の現場」という見えない存在に
日を当て、「多能工」「コスト削減」といった言葉に代表されるわれわれに身近な
ミクロの生産現場からの視点を通じ、「わがモノ作り・わが国防・わが軍事」へと
読み手の視野を広げることに成功している点です。
その結果、ほとんどの国民がつかめていない
「防衛費削減が民間企業、ひいてはわが国防に至大なダメージを与えている背景」
が理解できるようになります。
モノ作りの現場から真剣に国防を考えるという新たなスタイルを提示した
見事なルポルタージュであり、実に優れた初心者向け防衛産業・防衛装備品調達の
入門書といえます。知る限り、同種の作品を見たことがありません。